【プロジェクト紹介】教育から日本を変えていくプロジェクト「Youth」

ユースキャリアには、国際協力や地方創生・クリエイターや教育など、様々な活動分野ごとのプロジェクトがあります。

今回は、民間教育の観点から、将来の日本を良くしていこうというプロジェクト「Youth(ユース、以下Youth)」の活動を、インタビュー形式で紹介していきます!

教育ビジネスに携わっていきたい!教育関係のスタートアップを起業したい!という高校生や大学生は、ぜひ読んでみてください!

Youthとは?

下谷

今回は、Youthの樋口さんとゆたかさんに、Youthの活動についてお話を伺います。よろしくお願い致します。

樋口

よろしくお願いします。

ゆたか

よろしくお願いしますー!

プロフィール

樋口 彩乃(ひぐち あやの)
株式会社Barbarian/代表取締役
一般社団法人ユースキャリア教育機構理事

1998年生まれ。
高校生時代からビジネスに関心をもち、大学1年生から、シリコンバレーで投資家相手に事業ピッチなどを行う。

大学2年生より教育事業に携わり、現在は、「世の中の当たり前を更新する」をビジョンに代表を務めている株式会社にて、都の教育委員会や学校法人と連携しPBL型のプロジェクト学習の普及を行っている。

樋口さんは社会人をしながらユースキャリアで活動をしている。

プロフィール

長谷川 泰(はせがわ ゆたか)

Youthのメンバー
高校でのPBL型授業運営及び展開
都内ガラス工房にて、学生が伝統工芸の技術を知るイベントを企画

高校時代にはフィリピンにて1ヶ月間日本語教師として活動。
現在は「知る、会う、やってみる」の3ステップで人生の選択肢を広げるキャリア教育授業の事業化に奮闘中。

長谷川さんはとにかく行動力が高くアクティブ!Youth内では「ゆたか」と呼ばれている。
下谷

よろしくお願いします。

では早速お伺いしたいのですが、Youthとはどのようなプロジェクトなんでしょうか?

樋口

ざっくり説明すると、30歳までに自分で何か教育系の事業を行いたい、教育系企業を起業したいという子たちが集まったプロジェクトです。

結構ガツガツした環境で、民間から教育課題に立ち向かおうとしている人たちがとても多くいます。

下谷

となると、公教育ではなく、民間の教育に重点を置いている感じなんでしょうか?

樋口

うん、そうですね。

公教育に携わりたいけど先生にはなりたくない人や、
教育ベンチャーに入って中高生向けのICT教育をしていきたい人
自分で学習塾・個人塾を起業・独立して経営していきたい人
教育系企業に入って世界の教育問題を解決していきたい人

などの大学生が、Youthに所属していますね。

ゆたか

まさしく俺は、公教育に携わりたいけど先生になりたいわけではないなってタイプですね(笑)

下谷

なるほど。その例えは、とても分かりやすかったです。

そのYouthでは、どのような価値観を大切にされているのでしょうか?

樋口

Youthでは「戦友であり続ける」という価値観を大切にしています。

と言うのも、私の弟は柔道をしているんですが、実は高校の時に春夏冬で全国制覇をしています。

弟は努力の量が尋常じゃなくて。365日かかさず7:00-22:00まで稽古をしていたり、減量の時期になると、2週間水しか飲みません。勝つために1人で淡々と努力をし続けてるような人です。

彼を見て、「才能やセンスと言われるものは努力の上に成り立っているんだな」と強く思いました。だからこそ逆に、この努力の当たり前をどれだけ当たり前にできるのかが大事だと考えています。

樋口

ただ、常人が淡々と1人で努力をし続ける事は、めちゃくちゃ難しいと思っています。

だからこそ、「戦友」が必要なんじゃないかなと思うんです。

同じような這い上がった経験を持っていて、
困った時にはお互いに鼓舞しながら助け合える。
そして、一緒に楽しい未来を描き続けられる。

そんな「戦友」と呼ばれる人がいたら、もっと多くの人たちが「楽しそうに夢に対して努力し続けれている人」になれるんじゃないか。

Youthでは、そんな環境を作りたいと思っています。

樋口さん自身も社会人ながら、日々早朝までYouthのメンバーと努力をし続けている

Youthの歴史

下谷

言葉の節々から、樋口さんの熱量がものすごく伝わってきます(笑)

少し話は変わるのですが、Youthが民間教育にフォーカスを当てるようになったきっかけなどはあるのでしょうか?

樋口

Youth自体は2017年からあって、今年で6年目に入るプロジェクトです。最初にYouthを創設した悠さんという方がいて、その方が「教育×ビジネス」を行なっていたんです。

悠さんは鳥取から上京してきて、地方と東京との教育格差に衝撃を受けたそうです。そして、教育格差是正のため、教育ビジネスを大学生期間中ずっと行なっていました。

その中で、より社会に大きなインパクトを作るため、仲間を集めて活動していこう!と思い立ち、Youthは創設されました。

樋口

Youthは当時、3人から始まった小さなプロジェクトでした。

ただ、悠さんがたくさん案件を持っていたので、高校との協業を始めたり、キャリアキャンプという全国から高校生を100人を集めて2泊3日でキャリアを考えるキャンプ事業などを行なっていました。

ただ、何年かYouthとして活動していても、ずっとプロジェクトが大きくはならなくて。ずっと3人から5人くらいで推移していたんです。そんな時、Youthのリーダーが2代目のなかじさんに引き継がれました。

樋口さん自身は、5年前のYouth設立時から携わっていたそう
樋口

なかじさんの時代は、高校との協力関係をどう発展させていこうかということにフォーカスを当てていて活動していました。そのため、もっと現場の授業に関わっていこうと考え、今もYouthで活動を続けている「高校生と一緒にキャリアを考える通年授業」が始まりました。

その後、なかじさんが自分の個別指導塾を起業するタイミングで、私がYouthのリーダーを引き継ぎ、今は3代目といった感じです。

樋口

こんな歴史があるので、Youthは「仲間」という価値観を大事にしていて。

元々人数が少なかったプロジェクトなので、もっともっと人を増やしていって、みんなで楽しく若い人たちに夢を与えられるようなことをしていきたいよね、と考えています。

「学校の先生⇒文部科学省の官僚⇒?」教育に携わる方法を探し続けた20年間

ゆたか

俺は今年Youthに入った新参者なので、その歴史は初めて知りましたね(笑)

下谷

そうなんですね。

ゆたかさんはどういったきっかけで、Youthに入ったんですか?

ゆたか

俺は元々、教育には中学生の時から興味を持っていました。

当時の学年主任の先生が、今もロールモデルにしているめちゃめちゃ良い先生で。その人を見て「先生になりたいな」と思ったんです。もう教師の鏡のような人だったので。

ただ、よくよく考えてみた時、「自分が先生になったとしても、この人以上のパフォーマンスを発揮できる気が全くしない」と思って(笑)

じゃあ同じ職業についても意味ないなと考えた結果、この先生の考えを社会全体に広めていきたいと思い、一番影響力が強い国の教育機関、文部科学省を目指すようになりました。

中学生の頃のゆたかさん。昔から勉強熱心だったそう
ゆたか

そこから大学生までは、ずっと文科省を目指していました。進路選択も、「文系が多い官僚の中に、理系教育の考えも取り入れたい」という考えから、情報系を選択しました。

大学1年生になって、本格的に教育機関を目指すために、夏休みに文部科学省の職員の方に話を聞きに行ったり、議員の方に話を聞いたりし始めました。そこで、

・日本の教育を本気で変えたい人って、文科省の人でもそんな多くないの…?
・教育を変えようと思っても、現場で実行されるまで数年かかっていて、このスピード感で良いの?

とすごく感じました。省庁務めまで行く道も遠いのに、行った後にもさらに時間がかかるのかぁと思い、そこで進路に迷ってしまいました。

ゆたか

そこから将来に迷ってフラフラしてしまい、勉強もせず留年しちゃって(笑)

その後、大3になって就活を始めなきゃ、という時に、色んな会社の募集を見ているなかで「いや、俺はやっぱり教育をやりたい」と再燃しました。

前回は公教育を見て失敗したので、次は民間教育だ!と思い、色んなベンチャー教育企業の教育インターンシップや学生団体を探した結果、Youthに行き着いたという感じですね。

当時の憧れだった先生とは今も交流があり、今度その先生の教壇で、一緒に授業をすることになったとのこと

樋口さんの過去

樋口

ゆたかは、自分でめちゃくちゃ行動したから「民間教育をしよう」という考えになった、ほんとに行動力が高い珍しいタイプだと思う(笑)

下谷

そうなんですね。

樋口さんの場合は、どんなきっかけで教育に携わっていこうと思ったんですか?

樋口

んー、私はそもそも小学生の頃から人に教えることには関心があって。勉強自体嫌いじゃなかったから、先生にはなりたいと小学生の頃から思っていたかな。

ただ、小学校が学級崩壊してて。地元は岐阜なんですけど、岐阜の中でも特に荒れてた小学校で(笑)先生が大変そうに対策しているのを目の当たりにしていました。

また、私のおばあちゃんが自営業で楽しそうにしている姿や、父・母・弟がスポーツでバリバリ独立している姿を見ていたので、なんか先生面白くなさそうだなぁと思っちゃって。

樋口

その後進学した中学校も、学級崩壊してたんです。学級崩壊していた3つの小学校の学生が、1つの中学校に集約されたので、それはもうやばくて(笑)

もう頻繁に警察が来たり、廊下を自転車が走っていたり、授業中座っている人の方が少なかったり。中学生なのに子供産んで、貧困で苦しんでる子がいたり。中学3年生の授業内容が「自分の名前を漢字で書く」なんですよね(笑)

その渦中にいたので、日常は楽しいんだけど、このまま行ったら「人生終わるな」ってのは見えてました。なので、自分の力でめっちゃ頑張って勉強して、岐阜でトップクラスの進学校の高校に進学しました。

樋口

高校に入って一番感じたのが「格差」でした。同じ県なのに、ここまで教育の格差があり、教育の質も生徒のレベルも違うのかと。

学校側が幅広い選択肢を与えてくれて、質の高い授業を受けさせてくれて、外の世界を知るチャンスもくれて。そんな時に、「うちの中学の子にもこうした教育ができたら、もっと良い生活をさせてあげられたんじゃないか」と感じました。

そこで「やっぱり私は教育をしたい」と思いましたね。

将来は地元の岐阜にも教育の場所を作りたいとのこと
樋口

大学はおばあちゃんの影響で経営学部に入り、ビジネスの勉強をしながら「何か教育に携われないかなぁ」「教育格差をなくすにはどうすればいいかなぁ」と思っていました。

そんな時、シリコンバレーの教育ツアーを見つけ、即座に大学一年生の時に参加しました。その時に悠さんと出会って、「Youthっていうプロジェクト立ち上げるんだけど、一緒にやらない?」と言われ、Youthに参加しました。

なので、私の根本は「全国に機会均等な教育を届けて、教育格差をなくしたい」という想いから来ていますね。

Youthの活動詳細

下谷

お2人とも、ありがとうございます!

では改めて、Youthの活動内容についてもっと詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?

樋口

はい。Youthでは、

「ドラフト1st」⇒「ドラフト2nd」⇒「ドラフト3rd」

という教育制度を行っています。

ドラフト1st

経営の基礎を学びつつ、自分たちなりのビジネスコンテスト企画を開催する。1.5ヶ月で企画・集客・開催までを行うことで、自走力・行動力を身に着ける。

経営の基礎を学ぶワークショップ
ビジネスコンテストの企画出しをしている様子

ドラフト2nd

どんな事業でもいいので、自分でビジネスを作り、2ヶ月で収益1万円を上げる。企業との交渉力・収益を上げるための思考力を身に着ける。

サッカー初心者向けのサッカーイベント
レゴブロックを使用した知育教育イベント

ドラフト3rd

今まで学んできた事を、ドラフト1st生に教えることで、「できさせる」力を学ぶ。教育やマネジメントの力を身に着ける。

後輩にビジネスの方法を教えている様子
一緒に実働してあげて、やり方を見せることも
樋口

これらのコンテンツで経営・教育の基礎力を付けつつ、実際の教育現場で授業を行ったり、学校にアポイントを取りに行ったりして、教育ビジネスを行うための力を高めていきます。

ゆたか

また、都立高校で毎週1コマの時間を貰って、PBL型授業という自分のやりたい事や価値観を見つけるキャリア授業も行っていますね。

ゆたか

今はこうした授業をもっと広げていこうと考えていて、色んな中学・高校に交渉をしに行っています。

あとは、銚子の古民家を借りる事ができそうで、そこで教育関係の何かをやろうかという話があったり、「小学生×キャリア教育×英語」のサマーキャンプ事業を計画しています。

下谷

実際に高校で授業を行うこともあるんですね!

Youthに入ってくる人は、教育関連に興味がある人が多い感じなんですか?それともビジネスや起業に興味があるタイプが多いんでしょうか?

ゆたか

最近だと、ビジネスに興味があって、そこから人が好きだから教育もやってみたいという人が多い気がしますね。

ただ、俺みたいな元教員志望の人や、現在進行形で教員免許を取っている人もいますね。

樋口

現在Youthはメンバー総勢で49人ですね。

大学1年生が9人、大学2年生が7人、大学3年生が11人、大学4年生が6人。大学院生と社会人が9人くらいです。(ちょっと年齢が分からない人も何人かいて、人数ズレてますが笑)

下谷

なるほど。

プロジェクトリーダーの樋口さんは、Youthで将来こういったことをしていきたい!という思いは何かあったりされますか?

樋口

今はまだメンバーが50人くらいですが、これからもっと人数を増やしていって、全国47都道府県で教育を行っていきたいですね!

私自身、「全国で教育格差をなくしたい」と思っているので、全国の都道府県で教育プログラムを展開し、Youthのメンバーが全国で教えている状態を作りたいです。

全国各地にYouthのメンバーがいて、地域で個人塾や学習塾を開業し経営していたり、家庭教師として教えていたり、教育ベンチャーの教育会社を起業して地域の教育を担っていたり、エドテック(edtech)やICT教育などのAIやIT技術で教育の社会課題解決を行っていたり、、、

そんなYouthを作っていきたいと思っています。

民間教育から社会を変えていく方法についてアドバイス

下谷

ここまで、ありがとうございました!

最後に、「教育ビジネス・民間教育から社会を変えていきたい!」と思っている大学生に向けた、何かひとことアドバイスをお願いできますか?

樋口

んー、じゃあまずは私から。

個人的には、真摯に一つづつこなしていく事、真摯に人に向き合っていく事が大事かなと思っています。

教育という形態上、その子の将来に大きく関わる部分であり、人生を左右する業種だと思っています。そのため、ちゃんとその子のためを想って解決策を提示できているか、自分なりに考え尽くした最善の方法を実行できているかがすごく大切だと思っています。

ゆたか

自分的には、「自分たちはあくまでビジネス側を選択した人間」だけであって、学校の先生とか現場で働いている方の存在って、めちゃめちゃ大事なんです。

そういった方々へのリスペクトは忘れず、お互いの得意な所・できることで協力し合える関係性を作り上げていけると良いのかなと思います。

下谷

ありがとうございます!

インタビューを受けて頂き、ありがとうございました!

まとめ:Youthは民間教育で社会を良くするために切磋琢磨して努力する場所

Youthでは、日本の教育格差をなくすため、民間教育・教育事業/教育ビジネスの観点から、学校や地域と連携して事業を展開しています。

また、Youthのメンバーは強い想いと高い行動力を持っているため、教育ベンチャーのインターンシップ以上に、高い熱量を持った戦友と活動することができます。

Youthの活動に興味を持った方は、ぜひお気軽にご連絡をして頂ければと思います。

プロジェクト名Youth
活動ジャンル民間教育・教育事業/教育ビジネス
活動概要・ドラフト1st, 2nd, 3rdの基礎教育
・各自がやりたい事業内容に基づいた事業運営
・高校と提携して、高校生向けの授業を行う
活動人数50人
活動頻度毎週水曜日 19:00 – 22:00(八王子シェアハウス)
毎週土曜日 19:00 – 22:00(オリンピックセンター)
活動場所原則オフライン(東京)