『やりたいこと』が無くて悩んでいた僕が、海外に行き人生を変えられた話

プロフィール

羽田

More代表

神戸大学在学中に株式会社almaを立ち上げる。

JICAのフィリピンにおける女性の雇用創出プロジェクトに参画。

バンタヤン島という漁村の平均収入を数%アップさせる。

  

京都の人材開発系のNPOを経て、人材系スタートアップにてPM業に従事

傍らで、学生向けスタディーツアー事業の運営代表を務め、2019年にHISと提携しデンマークツアーを開催。

関連のイベントで累計500名以上の学生を集める。

26歳社会人。趣味:ツアー作り

初めまして、More代表の羽田といいます。
端的に自己紹介すると、人を笑顔にするためにツアーを作っている人です。

「人を笑顔にするのに、なんでツアーを作るの??」と疑問に思った方もいるでしょう。
この記事では、僕がツアーを作り始めた背景やそこに込めた想いについて書いています。

海外に興味がある、将来的には海外で働いてみたい、そんなことを考えている方はぜひこの記事を読み進めてみてください。多分ワクワクするし、読み終わるころには海外に行きたくなっていることでしょう笑

突然ですが、みなさん「海外」は好きですか?

昨今、コロナ禍でなかなか行けなくなってしまいましたが、僕自身大学時代は夏休みや春休みなど、長期休暇のたびに海外に出かけるくらい「海外」が好きでした。

デンマークで出会った親友ヤコブとの写真

そんな海外が大好きな大学生だった僕は、今26歳の社会人になりました。
日々、様々な業務に取り組みながら楽しく働いています。

しかし、今僕は仕事とは別に、Moreという団体を運営しています。

そこでは、ツアー会社と提携して、「やりたいこと」がないと漠然と日々を過ごす参加者が人生を通じて本気で「やりたい」と思えるものを見つけるための海外スタディーツアーを企画・開催しています。

(「スタディーツアー」という言葉にピンとこない人もいるかもしれませんが、要は修学旅行強化版です。旅を楽しみにながらも、楽しむことではなく学ぶことを目的に海外を旅するというものです。)

実際にコロナになる前は、デンマーク・カンボジア・ルワンダ・オランダ・シリコンバレーなど、様々な国に学生を連れて行き、様々な学びを届けてきました。

しかし、まだ世間的には海外に行く手段として、多くの人が留学や海外旅行を選んでいるのが事実です。

ですが、僕の友人や多くの友達が、留学や海外に赴きましたが、留学や海外に旅したことに満足して、結局何も得られなかった人達を多く見てきました。

彼らは思い出は語ってくれても、自分の「やりたいこと」は語ってくれません。

僕は、その選択肢にスタディツアーという選択肢を作りたいと考えています。

自分の将来のために学び、そしてなにかこれからの生きるヒントを得るために海外に行くことが、もっと一般的になって欲しいと願っています。

「やりたいこと」なんてなかった、けど海外は好きだった

仕事外などでこういう活動をしていると、よく周囲の方から「すごいですね」と言っていただけることがあります。

それと同時に「昔からこういうことをしようと思っていたんですか?」と聞かれることがしばしばあります。

しかし、驚かれるかもしれませんが、僕はこのツアーを始めるまで「やりたいこと」が無いことに悩むごく普通の大学生でした。

なんとなく将来海外で働いてみたい。社会問題に興味があって何か解決に携わってみたい。
本当にそれぐらいの気持ちでした。

けど、海外の文化や様々な国籍の人と話す中で色々な考えに触れることは好きでした。

なので、漠然とした将来に対する不安を抱きつつも、長期休みのたびに好きだった海外を訪れていました。

例えば、フィリピン。僕が一番訪れている国です。

フィリピンは、今まさに国として豊かになっている途中の国で、日本同様島国ですので、本当に訪れる島によって発展度合いが様々です。

僕が、よくセブという観光で有名な島からバンタヤン島という島に通っていたのですが、セブでは、大きなビルが乱立し日本とあまり変わらない様な景色があります。

一方でバンタヤンでは、まだ男尊女卑が問題になっていたり、家が竹でできている家が多く、ハリケーンのたびに家が壊される過程も少なく無かったりと、本当に同じ国とは思えないような状況が広がっています。

JICAのプロジェクトでフィリピンに行った時の写真。
この時となりの女の子と結婚させられそうになった。

例えば、オランダ

オランダは、自由の国といわれるほど他の国々と比べても様々なものの規制が緩い国です。例えば、大麻が合法です。現地で、コーヒーショップとは大麻を売っている店なので、珈琲を飲みに行こうとすると痛い目にあいます、、、

綺麗なガラス細工の店だと思って店には行ったら、大麻の吸引機の店だったなんてこともありました笑

他にも、一部の地域では売春が合法で、売春婦のための労働組合が存在しています。

しかし、売春婦の多くは西欧圏ではなく難民系の東欧の人が多かったりと、世界的な問題の一端が垣間見えたりします。

こんな、異世界とも思えるほど全く違う、社会が世界にはたくさんあります。

僕は、海外を訪れる中で、様々な考え方に触れ、文化に触れ、自分自身の「当たり前」を何度も更新していきました。

僕は海外いくたびに、自分の当たり前という固定観念が自分の将来の選択肢を狭めていることに気づかされました。

そして、その中でもある国の文化に触れたことで僕の人生は大きく変化します。

「当たり前」を変えてくれたデンマーク文化との出会い

僕が、自分の考え方が大きく変わったと考えているのが、デンマークに行った時です。

デンマークや北欧と聞くと皆さんどんなイメージを持ちますか?

おそらく、幸せそう、社会問題に先進的に取り組んでいる、お洒落そう、そんなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか?

僕も当時、なんでデンマークは幸福な国と言われているんだろう?社会問題に対してどんな取り組みをしているんだろう?そんな疑問を持って、デンマークに行きました。

当時「やりたいこと」が無いことが悩みだった僕は、現地の高校に行きそこの生徒に「あなたの夢は何?」と聞いて回りました。きっとキラキラした夢を語ってくれるに違いない。そう思って質問した僕は、彼らの回答に衝撃を受けました。

「僕は海が好きだから将来海の見える家に住みたいな」

「家族が好きだから、ずっと家族と一緒にいたいんだ」

彼らは、そんな夢を語ってくれました。

デンマークの授業の様子、タブレットを使用し教室に教師も複数人いることが多い

日本にいると「あなたの夢はなに?」と聞くと、多くの人が、サッカー選手やお花屋さんなど職業を答えるのに対して、彼らの夢は全く違う形での回答でした。

これに疑問を感じ、色々な人と話す中で僕は「being / doing / having」という考えに出会います。

これは、先ず在り方や想いがあり、次に行動があり、そして所有するものがあるという考え方です。

僕たちが、夢を聞かれたときに答えるサッカー選手やお花屋さんなどは、行動にあたります。
しかし、デンマークの高校生たちが答えてくれた回答は在り方や想いに該当します。

僕の「やりたいこと」が無いという悩みは、あくまでdoingしたいものがないという悩みでした。

doingは時間が経ったり、状況が変われば変わります。しかし、beingは中々変わりません。beingのないdoingなんて、意味はありません。

結局自分の中での変わらない軸を見つけることの方がもっと大事だと自分の中で府に落ちました。

なので、一度どう在りたいかや、どんな想いを持っているのかなどbeingを考えてみることにしました。

それをきっかけに、僕は「人を笑顔に出来る人でいたい」と想うようになりました。

ただ、人を笑わせるのではなく、夢を追う中で人が見せるキラキラとした姿をもっと見てみたい。人生を通して好きな人と共に関わってくれる人を笑顔にできる人でいたい。そう想ったのです。

運命の出会いと大きな決断

そんな想いを胸に、行動していこうと考え、就活をそろそろ始めないとと考えていた、大学3年生の冬。僕は、運命の出会いをし、大きな決断を迫られることになります。

それが、僕をMoreに誘ってくれた方との出会いでした。

僕の人生に大きな影響を与えてくれた方々との写真

元々、Moreは僕が始めたものではなく、他の方がやろうとしていたものに誘って入らせてもらったものでした。

その時は、たまたまその方が、デンマークでツアーをやろうとしていて、僕が行った経験があるということで、話を聞かせて欲しいと言われ、会いました。

しかし、話を聞く中で、その方の想いやこれからツアーをどうしていきたいかという考えに触れる中で、そのツアーにワクワクしている自分がいました。

そして、何度か会ううちに、その方から「海外スタディーツアーを一緒に作っていかないか?」というお誘いを受けます。

しかし、この時僕は、めちゃくちゃワクワクしながらも、すぐにYESと答えられませんでした

なぜなら、3年の冬にありがたいことに、大手企業の方から「うちに来ないか?」というお誘いを受けていたからです。

もちろん、ツアーはワクワクするし、珍しくやってみたいと思えたものでした。
しかし、まだ始まってもおらずそれで稼げるのかも分からない状態です。

それに対して、大手企業に行けば、やりたいことが出来るかは分からないが、安定した収入が約束されます。

自分の「やりたい」を取ってツアーの道に進むか?
安定を取って大手企業への就職を取るか?

僕にとって自分の人生を変える大きな選択でした。
その時に背中を教えてくれたのは、母の一言でした。

「なに言ってんねん」と怒られるかなと思いながら、母に相談すると、

夢には賞味期限がある。私にもやりたいことはあったし、早期退職しようとしていた。けど、子供が生まれて自分の夢よりも大切なものが出来てしまった。だから、結局夢を追いかけられるようになったのは、あんたたちが独立した今なんや。今、やりたいことやらんかったら、あんたも次夢を追いかけられるようになるのは、20年30年後かも知らんで。」

そう言ってくれました。

とても母らしいアドバイスだなと思いつつ、僕の覚悟はあっけなく決まったのです。

次の日には、企業の方にお断りの連絡を入れ、ツアーに打ち込むために学校も1年間休学することにしました。

その判断が正しかったのかどうかは今でもわかりません。
けれど、その選択をしたからこそ、僕の人生は大きく変化したと思います。

「あなたのおかげで人生が変わりました。」

母の一押しもあり、僕はツアーを通して自分の想いを体現していくことを決めたのですが、初めてのツアー作りは大変なことばかりでした。

どういうツアーにしたらツアーに来て欲しい人が来てくれるのか?
どうすれば、ツアーのことを知ってもらえるのか?

毎日、頭を抱えながら少しずつ、ツアー作りを進めました。

そうして、

「未来を切り拓くリーダーを輩出する」をコンセプトに、もっと自分の人生を自分で描いて、それに向かって自分の人生を突き進められる人を増やすことを目的としました。

そしてそのために、皆が抱えている「当たり前」という固定観念を外し、自由に自分の在り方や自分の人生と向き合って貰うために、自分達とは違う「当たり前」を持った海外の文化や海外の人たちと触れ合い、学び、考えるツアーを作ることにしました。

また、留学や海外旅行でよく起こってしまう、行って満足してしまうという事態を避けるためにも、行く前と後に研修期間を設けて目的設定や学びの振り返り、今後のアクションを決めることまでをツアーの中で行うようにしました。

そうやって、価値あるものを作りながら、イベントを行って、多くの人にツアーのことを知ってもらったり、価値を感じてくれた方の紹介で人とあったり、新聞に取り上げてもらったりと、本当に多くの人に助けられながら、多くの人にツアーの魅力や価値を伝えていきました。

イベントの様子。この時は100名以上の方が足を運んでくれた。

そうして、僕が初めて開催したデンマークツアーでは、総勢14名の方が参加をしてくれました。

そこから、事前研修をして、デンマークに飛び立ち、様々な施設を巡りました。

森の幼稚園、フォルケホイスコーレ、国会議事堂、クリスチャニアどれも日本では有名でない、独自の場所ばかりで、デンマーク独自の文化や思想に僕も参加者も圧倒されながら、これまでにない様々な世界の捉え方や、人生観を取り入れていきました。

ツアーを通して僕は、参加者全員が未来を切り拓けるようにと多くの時間を参加者との対話に費やし、参加者の人生と向き合いました

ツアー参加者との集合写真。僕の宝物です。

勿論日本に帰ってからも、振り返りやこれから何をしていくかなど、週一で研修を行い、集大成として、報告会を開催し、多くの人が参加者の学んできたことやこれからやっていきたいことに耳を傾けました。

無事報告会も終了し、いよいよ僕の初めての挑戦は幕を下ろそうとしていました。
その時、1人の参加者が僕の下に来てくれました。

彼女は、教育学部に所属し、日本の教育を変えたいと、北欧の教育を学んでみたいと思っていました。しかし、当時彼女は、よさこいサークルに所属しており、渡航の時期とよさこいのお祭りの時期が被っていて、ツアー参加に前向きではありませんでした。

しかし、何度も将来の話をし、対話をする中で将来に必要なのは今の価値観や新たな学びだと感じてくれてツアーへの参加を決意してくれた子でした。

その子が、涙を流しながら僕に言ってくれました

「ツアーに誘ってくれてありがとうございました。羽田さんが誘ってくれたおかげで私の人生は変わりました。これから新たな夢に向かって頑張ります。」と。

僕はこの時の光景を今でも思い出します。
初めて自分の想いが誰かに伝播したと感じたのです。

ただの学生だった僕が、本気で誰かの人生に向き合った結果、泣きながら感謝されたのです

当時涙ながらに感謝を伝えてくれた延原玲奈さん。
ツアー参加後高校生向けの起業家教育事業にジョインしてくれた。

また、この景色を見たい。もっと多くの人が、こんなふうに自分の人生を突き進められるようになって欲しい。心からそう思いました。

今思うと、この時こそが、僕の想いが初めて「やりたいこと」になった瞬間だったんだと思います。

コロナ禍での挑戦と仲間との出会い

初めてのツアーを原動力に、これからツアーを拡大させようとした矢先、新型コロナウイルスが流行します。

もちろん、僕も計画していたツアーを全て中止せざるをえなくなりました。
当時は、ショックも大きかったですが、悪いことだけだったかというとそうでもありませんでした。

なぜなら、ツアー活動を通して、僕の想いに共感してくれる仲間が出来たからです。
今、一緒に共同代表として活動してくれている大石もその1人です。

彼も、最初はツアーに興味を持って活動に協力してくれる中で、想いに共感してくれ、横並びで一緒にツアーを作る仲間になってくれました。

本気の想いは絶対に誰かに伝播します。

もしも、何か想いがあるならぜひ誰かに本気でぶつけてみてください。

再出発。未来を切り拓くリーダーを輩出するために

そうして、20年21年と我慢の年が続き、この記事を書いている2022年は僕たちにとって再出発の年となりそうです。

今、再度スタディーツアーを開催しようと、多くの大学生と共に、ツアーの企画を進めています。

しかも、これまでと違いオンライン上で仲間を集め、秋田、群馬、愛知、大阪など日本様々な場所から、「未来を切り拓くリーダーを輩出する」という想いに共感してくれた、高校生や大学生が集まってくれています。

今海外スタディーツアーを共に作りあげている仲間達

僕は今、彼ら彼女たちと共に、もう一度自分の「やりたいこと」を形にするために、日々ミーティングを行い、多くの学生にツアーの魅力を発信しています。

それだけでなく、この活動を法人化させるために、今僕自身ツアー会社を興すために必要な国家資格を自分で取得しようとしています。

少しでも自分の「やりたいこと」を加速させるために、僕自身成長し続けなくてはなりません。まだまだ僕も成長途中です。

ただ、もちろんこれまでと違い、僕は学生ではなく社会人です。
時間も前ほどはないし、大変なことも勿論あります。

けど、僕は立ち止まることはないと思います。
なぜならば、僕には忘れられない景色があるからです。

また、あの景色が見たい。

誰かの「やりたいこと」が見つかる瞬間を共にしたい。

少しでも多くの人が夢を持ってキラキラと挑戦出来る人になって欲しい。

そんな想いだけで、僕はどれだけでも頑張れる気がします

最高の面白い学生生活を一緒に作りませんか?

先ずは、ここまで読んでくれてありがとうございました。

僕たちの活動は、22年から新たに再出発を遂げました。
今10名のメンバーが日本全国から集まり、23年の春に3つのツアーが開催されようとしています。

23年の夏はより多くのツアーを開催するつもりです。

もしも、今回の記事を読んで、想いに共感していただけたら、僕たちと一緒にツアーを作りませんか?

こういった方は是非お話ししましょう!

・漠然と今を過ごす自分を変えたい

・誰かの「やりたいこと」を見つける手伝いがしたい

・自分の人生を通じて打ち込める「やりたいこと」を見つけたい

・将来は海外で働いてみたい

・自分の好きな区にいろんな人を連れていきたい

・羽田という人間と話してみたい

少しでも面白そうと思っていただけたら僕はいつでもあなたと
お話しする時間を取らせていただきます。

(記事編集:大川)