2026年8月30日から9月1日にかけて、一般社団法人ユースキャリア教育機構は、北海道南部地域(道南エリア)の森町・鹿部町・七飯町の3町で構成される環駒ケ岳広域観光協議会と連携し、若者の視点から地域の観光資源を再発掘する「かんこま3町丸ごと観光ツアー」を実施しました。
本ツアーには、大学生・大学院生3名と当団体の理事2名が参加。鹿部町・七飯町・森町を実際に巡り、自然や食、産業、地域で暮らす人々との交流を通して、若年層に届けたい地域の魅力を探りました。
今回のツアーは、「地域の魅力に触れて終わり」ではありません。
若者自身が地域を訪れ、現地でしか分からない魅力を体験し、その発見をSNSなどを通じて同世代へ届けていく。そうした発信を通して地域を知る若者を増やし、将来的な関係人口の創出・拡大や地域活性化につなげていく長期プロジェクトの第一弾として実施されました。

若者が「見つける・体験する・伝える」観光プロジェクト
今回のプロジェクトで重視したのは、既存の観光情報をそのまま発信するのではなく、「若者が実際に訪れたとき、何に惹かれるのか」という視点から、3町の魅力を捉え直すことです。
函館市の北側に位置する森町・鹿部町・七飯町には、自然や食、温泉、農業、漁業など、多様な観光資源があります。加えて、函館を訪れる若者に「もう一歩先まで足を延ばしてもらい、3町ならではの魅力を知ってほしい」という地域の思いがあります。
そして若年層には、旅先ならではの体験や、思わず写真や動画に残して誰かに共有したくなるような場所が欲しいという想いがある。
その両方をつなぐため、私たちは実際に3町を訪れ、地域の魅力を「見つける・体験する・伝える」ツアーを実施しました。
鹿部町
漁業と食を通して、海とともにある暮らしに触れる

鹿部町では、昆布漁業者の作業場を訪問し、地域を支える産業の一つである漁業に触れました。
さらに、「道の駅 しかべ間歇泉公園」を訪れ、温泉を利用した蒸し釜料理も体験しました。
海産物と温泉という鹿部町ならではの資源を、ただ「見る」「食べる」だけではなく、実際の漁業や調理体験まで含めて楽しむことで、地域の暮らしをより身近に感じる機会となりました。
道の駅に立ち寄り、地域の食材を味わうだけでも鹿部町の魅力を楽しむことはできます。しかし、その食材が地域の漁業とどのようにつながっているのかを知り、漁業者の仕事を間近で見学し、自分たちで温泉の蒸し釜に食材を入れて調理することで、食事の背景にある地域の営みまで感じることができました。

また、地中から勢いよく噴き上がる間歇泉を目の前で見た際には、写真や動画だけでは伝わらない迫力や熱気を体感しました。
実際にその場所を訪れ、五感で感じるからこそ分かる鹿部町の魅力に触れる時間となりました。
七飯町
大沼の自然から食・農業まで、地域の多様な魅力を巡る

七飯町ではまず、「ブロイハウス大沼」を訪れ、大沼ビールの仕込み作業を見学しました。
普段はなかなか見ることのできない工場内まで案内していただき、ビールの香りが広がる空間で、実際の設備や仕込みの工程を間近で見学しました。
完成した商品だけを見るのではなく、「どのようにつくられているのか」を知ることで、地域の特産品が生まれる背景への理解を深める機会となりました。
その後は大沼公園周辺へ移動し、
・沼の家
・大沼公園
・山川牧場
・道の駅 なないろ・ななえ
・THE DANSHAKU LOUNGE
などを巡り、大沼と駒ヶ岳がつくり出す雄大な景観をはじめ、食や農業、地域の特産品など、さまざまな角度から七飯町の魅力に触れました。

自然の中を歩き、地域の食を知り、商品や産業に触れることで、七飯町が持つ多様な魅力を体感する時間となりました。
森町
駒ヶ岳を歩き、「観光」と「防災」を一緒に考える

最終日に訪れた森町では、地域おこし協力隊の児島秀明さんとともに、駒ヶ岳山麓をトレッキングしました。
雄大な自然を楽しむだけではなく、活火山である駒ヶ岳を抱える地域だからこその「観光と防災」について学んだことも、今回のプログラムの特徴です。
トレッキングの途中では、普段何気なく歩いているだけでは見過ごしてしまうような地形や自然の特徴についても解説していただきました。
実際に自分たちの足で山麓を歩きながら話を聞くことで、景色を楽しむだけではなく、その土地の成り立ちや防災についても考えることができました。身体を動かす楽しさと、地域について学ぶ面白さを同時に感じられる体験となりました。
さらに、糖度20度を超えることもある「くりりんかぼちゃ」を栽培する、みよい農園を訪問しました。
見渡す限りにかぼちゃ畑が広がる景色の中で、有機栽培に取り組む理由や、甘く品質の高いかぼちゃを育てるための工夫、栽培における苦労などについてお話を伺いました。

その後、実際にかぼちゃを使ったアイスクリームを味わうと、その濃厚な甘さに驚かされました。
地域の自然環境を見るだけではなく、そこで農業や地域づくりに携わる方々から直接話を聞くことで、一つの商品や観光資源の背景にある工夫や思いまで知る機会となりました。
実際に訪れたからこそ見えてきた「かんこま」の魅力
森町・鹿部町・七飯町は、それぞれ異なる観光資源を持ちながら、駒ヶ岳を中心とした一つのエリアとして巡ることができます。
3町を一体で巡ることで、
・湖や山などの自然
・温泉
・海産物
・農業
・地域の食文化
・地域で暮らす人々
といった、多様な魅力を比較的短い移動の中で体験できます。
そして今回、実際に地域を巡ったからこそ見えてきたのは、観光スポットそのものだけが「かんこま」の魅力ではないということです。
漁業について語る方、地域の食を届ける方、自然や防災について伝える方、農業に向き合う方。
それぞれの地域で、その町の魅力を支えている人々との出会いがありました。
同じ駒ヶ岳を囲む地域でありながら、町ごとに異なる自然、産業、食文化、そして人との出会いがあることも、今回のツアーを通して見えてきた「かんこま」ならではの魅力です。

若者自身の視点から、同世代へ地域の魅力を届ける
地域の魅力を若年層へ届けるためには、地域側から魅力を説明するだけではなく、
「若者自身が地域で何を感じたのか」
「何に驚いたのか」
「何を友人に伝えたいと思ったのか」
という視点も重要です。
今回のツアーは、若者が地域を「観光する側」にとどまらず、
「地域の魅力を見つけ、次の若者へ届ける側になる」
ことを目指した取り組みでもあります。
地域を実際に歩き、食べ、人と話し、自分自身で感じたことをSNSなどで発信していく。
インターネットで調べた情報を紹介するだけではなく、「実際に行ったからこそ分かったこと」を若者自身の言葉や映像で届けることで、これまで「かんこま」エリアを知らなかった同世代に、新たな地域との接点をつくっていきます。
今後について
今回の「かんこま3町丸ごと観光ツアー」は、3町の魅力を若年層の視点から発信していく長期プロジェクトの第一歩です。
ツアー中に撮影した写真や動画、現地で得た情報は今後編集し、各種SNSなどを通じて発信していく予定です。
現地を実際に訪れた若者だからこそ伝えられる言葉や映像を通じて、まだ「かんこま」エリアを知らない若年層に、森町・鹿部町・七飯町を知り、実際に訪れてみたいと思ってもらえるきっかけを届けていきます。
一般社団法人ユースキャリア教育機構では今後も、若者が地域を知り、地域の人と出会い、自らの視点や行動を地域の未来へつなげていく機会を創出してまいります。

