この記事にたどり着いた方には大学生のうちに起業したいけれど、資金をどう集めればいいのか分からず動けない。アルバイトや貯金では足りず、融資や投資家への相談にも踏み切れない。
そこで本記事は起業を目指す学生のために、助成金の基礎を解説しながら、助成金の種類や注意点までご紹介します。

学生起業で活用できる助成金の3つの基本項目

起業に挑戦したい学生にとって、最大の壁はやはり「資金」の問題。
自己資金が少なく、融資も通りにくい学生にとって、助成金や補助金はとても心強い資金調達手段のひとつです。
とはいえ、助成金には種類があり、それぞれの特徴や制度の背景を理解しておくことが重要です。
ここでは、学生が起業を目指すうえでまず知っておきたい、「助成金ってそもそも何?」という基本の3項目をわかりやすく解説します。
基本1. 資金調達方法としての助成金とは
助成金とは、国や自治体などが特定の条件を満たした個人や法人に対して支給する、返済不要の資金のことです。
学生でも条件を満たせば受給が可能であり、起業時の初期費用を抑えるうえで非常に有効な資金調達手段のひとつといえます。
自己資金や融資に頼りにくい学生にとっては、チャレンジの第一歩を後押ししてくれる心強い制度です。
基本2. 補助金と助成金のちがい
よく似た制度に「補助金」がありますが、助成金とは目的や性質が異なります。
助成金は主に厚生労働省が所管し、雇用や人材育成といった働き方の改善を目的とした制度です。一方、補助金は経済産業省が中心となり、起業支援や事業成長、IT導入、設備投資などに対して支給されます。
区分 | 助成金 | 補助金 |
主な省庁 | 厚生労働省 | 経済産業省 |
対象 | 人材育成、設備投資 | IT導入・販路開拓 |
支給条件 | 条件を満たせば原則受給 | 審査を経て採択される必要あり |
難易度 | 比較的低い | 比較的高い |
基本3. 厚生労働省と経済産業省の役割の違い
厚生労働省が提供する助成金は、企業が行う採用活動や社員教育、非正規雇用の正規転換などを支援する制度が中心です。学生が法人を設立してスタッフを雇うようなケースでも、これらの助成金が活用できる可能性があります。
一方、経済産業省は、ビジネスの成長や新たな価値創出に重点を置いており、補助金は主にIT導入や新規事業の立ち上げ、販路開拓、設備投資といった分野で活用されます。
学生起業でも申請できる助成金・補助金制度7選

国や自治体、民間団体が提供する助成金・補助金制度のなかには、学生や若者のチャレンジを後押しする仕組みが多く存在します。
ここでは、学生でも申請可能な代表的な制度を7つ紹介します。
制度1.ものづくり補助金
カフェを開業したい学生必見!小さく始められて実践経験も積める、学生におすすめの開業方法を3つ紹介します。
項目 | 内容 |
名称 | ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 |
対象 | 製品・サービスの新規開発、設備導入など |
所管 | 経済産業省 |
補助率 | 1/2〜2/3(最大1,250万円程度) |
ポイント | ビジネスモデルの独自性が重視される |
制度2.IT導入補助金
業務効率化やECサイトの開設を考える学生にぴったりの制度です。
項目 | 内容 |
名称 | IT導入補助金 |
対象 | ITツール・システム導入 |
所管 | 経済産業省 |
補助率 | 最大3/4(上限350万円) |
ポイント | 指定ITツールを導入することが条件 |
制度3.小規模事業者持続化補助金
カフェや雑貨店などの小さなビジネスを始めたい学生向け。販促活動にも使えます
項目 | 内容 |
名称 | 小規模事業者持続化補助金 |
対象 | ITツール販路開拓、広告、EC構築など |
所管 | 経済産業省 |
補助率 | 2/3(上限50〜200万円) |
ポイント | 商工会議所の支援を受ける必要あり |
制度4.キャリアアップ助成金
アルバイトから正社員登用など、雇用の質向上を目指す学生起業家におすすめ。
項目 | 内容 |
名称 | キャリアアップ助成金 |
対象 | 非正規雇用者の正規転換など |
所管 | 厚生労働省 |
補助率 | 最大72万円/人(コースにより異なる) |
ポイント | 雇用契約・就業規則 |
制度5.人材開発支援助成金
チームで学びながら成長したい、教育投資に関心のある学生起業家向け
項目 | 内容 |
名称 | 人材開発支援助成金 |
対象 | 社員研修、専門講座受講など |
所管 | 厚生労働省 |
補助率 | 45〜75%程度 |
ポイント | 対象カリキュラムや研修実績の提出が必要 |
制度6.人材確保等支援助成金
人材採用や定着率改善を目指すカフェ・サービス系起業にも適した制度。
項目 | 内容 |
名称 | 人材確保等支援助成金 |
対象 | 採用強化、労働環境改善 |
所管 | 厚生労働省 |
補助率 | 最大数百万円(支給要件により異なる) |
ポイント | 雇用管理の改善・制度導入が必要 |
制度7.社会起業塾イニシアティブ
社会課題解決型のビジネスに挑戦したい学生にぴったりの民間助成プログラム
項目 | 内容 |
名称 | 社会起業塾イニシアティブ |
対象 | 社会的課題に取り組む若手起業家 |
所管 | 民間財団(NPO法人ETIC.など) |
補助率 | 事業資金支援・メンタリング・ネットワーク |
ポイント | 審査あり。ビジョンと社会性が重視される |

学生起業家が助成金をもらえる2つのメリット

助成金をもらえることは、社会的に認められたことを証明することにもなり、社会的な信頼を獲得できます。
ここでは、学生起業家が助成金を受け取ることで得られる、特に大きな2つのメリットをご紹介します。
メリット1.法人化で信頼が圧倒的にアップする
学生が個人事業主として起業することは可能ですが、法人に比べると社会的な信用力が低いのが現実です。
たとえば、カフェなどの実店舗を開業しようとしても、個人事業主では物件の賃貸契約に通りづらいケースも少なくありません。
また、金融機関からの融資を受ける際にも、法人の方が審査に通りやすく、借入条件も有利になる傾向があります。
これは、法人には「法的な信用力」や「経営の継続性」があるとみなされるからです。
さらに、助成金制度の多くは「法人であること」が申請条件になっている場合もあり、法人化することで助成金の選択肢も一気に広がるのが大きなメリットです。
メリット2.資金ゼロでも起業できる現実的な道ができる
起業を志す学生にとって、「お金がない」は最もよくある悩みです。
でも、助成金を活用すれば、そのハードルは大きく下がります。
特に、カフェやECなど初期費用がかかる業種でも、設備・広告・IT導入費用などを助成金でカバーすることが可能です。
また、助成金の中には雇用支援・研修費補助・人材確保など、起業後の運営面を支える制度もあり、ビジネスを安定させやすくなります。
つまり、資金ゼロでも「アイデアと行動力、そして制度活用力」があれば、学生でも現実的に起業できる環境が整っているということです。
助成金をもらったあとの5つの注意点

助成金は返済不要で起業を後押ししてくれる心強い制度ですが、もらった後の使い方や運営姿勢によっては、トラブルや不利益を招くリスクもあります。ここでは、助成金を受け取ったあとに気をつけるべき5つのポイントをご紹介します。
注意点1.途中で事業や制度を安易にやめられない
助成金によっては、制度を導入した後に短期間で廃止したり中止したりすると問題になることがあります。
たとえば、雇用関連の助成金を活用して「正社員化」や「研修制度」を導入した場合、それを途中で取りやめると「労働者の不利益」になると判断される可能性があります。
助成金制度の趣旨に沿っているか、労働環境にどんな影響があるかなど、総合的な妥当性が問われるため、制度導入の前に十分な検討が必要です。
注意点2.助成金に頼りすぎないこと
助成金や補助金を活用して起業に成功することは可能ですが、それだけに依存するのは危険です。
特に学生起業家は「資金不足」を補う手段として助成金を活用しがちですが、実際の起業では、マーケティング・人材・オペレーションなど多くの課題にも直面します。
起業経験が少ないからこそ、助成金を「スタートの後押し」として活用しつつ、経営力・実行力・学び続ける姿勢を持つことが成功のカギです。
受講生の多くが卒業後に実際に開業しており、実績と信頼性の高いスクールとして知られています。
1人で開業を目指す人から、将来的に店舗展開を考えている人まで、幅広く対応してくれる点も魅力です。
注意点3.資金は計画通りに使うこと
助成金を受け取る際には、「資金を何に使うか」明確な運用計画を提出する必要があります。
支給後にその計画と異なる使い方をしてしまうと、返金や不正使用とみなされるリスクがあります。
助成金は自由に使えるお金ではなく、計画に沿って正しく使う義務があることを忘れずに管理しましょう。
注意点4.支出内容を明確に記録すること
起業では、支出の記録が重要です。特に助成金や補助金に関しては、お金の流れを証明するための領収書・請求書などの保存が義務となります。
確定申告や監査に備えて、
- 青色申告なら7年間
- 白色申告なら5年間
の書類保存が必要です。
支出の明細や証憑を日々丁寧に管理することが、後のトラブル防止につながります。
注意点5.使用目的を確認し、利用計画をしっかりたてる
助成金・補助金はそれぞれ使い道が明確に定められている制度です。
複数の制度を併用する場合は特に注意が必要で、「使える費用」「使えない費用」を事前にチェックしておかないと、いざという時に使えないという事態にもなりかねません。
制度ごとの利用条項をよく確認し、資金をどのように使うかの計画を事前に立てておくことが、健全な資金運用の第一歩です。
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