植松快 
「成功した起業家は学生時代に何をしていたのか？」あなたも一度は気になったことがあるのではないでしょうか。
SNSやYouTubeで活躍する起業家のエピソードを見るたびに、「自分も何か始めたい」「でも何から行動すべきか分からない」
と悩む学生は非常に多いです。実は、学生起業家や有名経営者には、学生時代に共通して取り組んでいた行動があります。
本記事では、起業家の“学生時代の過ごし方”の共通点を紹介し、あなたが今日から実践できるステップまで分かりやすく解説します。
成功している起業家の学生時代の5つの共通点
成功している起業家の多くは、学生時代から“起業家としての基盤”となる考え方や行動習慣を身につけています。
ここでは、彼らに共通する5つの特徴を紹介します。
共通点1.圧倒的な行動量がある
成功する起業家は、学生時代からとにかく行動しています。アイデアが完璧になるのを待つのではなく、「まず動く」「やりながら考える」という姿勢が共通しています。
小さくても良いので、行動し、検証を繰り返すことで成長スピードが段違いに上がります。
共通点2.失敗を恐れず挑戦する
学生時代に多くの失敗を経験していることも大きな共通点です。
フリマアプリ販売、SNS運用、アプリ開発、EC販売など、小さな挑戦 → 失敗 → 改善のサイクルを回しています。
失敗経験がある分、本番の起業でも冷静な判断ができるようになります。
共通点3.人脈とコミュニティを大切にする
学生時代から成功している起業家に共通しているのは、一人で抱え込まず、相談できる人を意識的に持っていることです。メンターとなる経営者の先輩、同じように挑戦している同年代の仲間、専門知識を持つ大人など、立場の異なる人とのつながりを大切にしています。
こうした人脈があることで、判断に迷ったときに客観的な視点や実体験に基づくアドバイスを得ることができ、意思決定の精度が大きく向上します。また、壁打ちを重ねることで迷いが減り、結果として行動スピードも早くなります。さらに、起業は長期戦になりやすいため、仲間の存在が継続力に与える影響も非常に大きいです。モチベーションが下がったときに支え合える環境があるかどうかは、学生起業を続けられるかどうかを左右する重要な要素といえるでしょう。
共通点4.情報収集を習慣化している
成功している起業家は、学生時代から情報収集を日常の習慣として取り入れています。
市場動向、ユーザーの悩み、ビジネスモデル、テクノロジーの進化、経済ニュースなど、幅広い分野にアンテナを張り続けています。単に情報を集めるだけでなく、
- なぜこのサービスは伸びたのか
- なぜこの企業は戦略を変えたのか
- 自分の事業に応用できる点は何か
といった視点で考える癖が、事業アイデアや改善のヒントにつながっています。
このようなインプットの積み重ねが、判断力や仮説構築力の土台となり、結果的にチャンスを掴むスピードを早めています。学生のうちから情報収集を習慣化することは、起業に限らず、その後のキャリア全体においても大きな武器になります。
「なぜこのサービスが伸びたのか」「この企業は何を変えたのか」など、情報を調べる癖が成長の土台になります。
共通点5.小さく稼いだ経験を持っている
成功する起業家は、学生のうちから“小さく稼ぐ経験”をしています。
- メルカリ販売
- SNSアカウント運用
- 仕入れ販売
- 動画編集やデザインの受注
- Webサービスの提供
自分の力でお金を生み出す経験は、起業のハードルを大きく下げる重要なステップです。
学生時代から成功している起業家3選
「学生のうちに起業しても本当に成功できるのか」と不安に感じる人は少なくありません。しかし実際には、学生時代の行動や挑戦が、その後の大きな事業成長につながっている起業家も数多く存在します。
ここでは、学生時代から挑戦を始め、現在も第一線で活躍している起業家を3名紹介します。
起業家1.株式会社ガイアックス 上田祐司
上田氏は京都大学在学中にインターネットビジネスの可能性を直感し、学生のうちから事業構想を開始しました。
当時はまだSNSやシェアリングエコノミーという概念が一般的ではなかった時代ですが、「人と人がネットでつながる未来」にいち早く着目していた点が特徴です。
卒業後すぐに株式会社ガイアックスを創業し、SNS・シェアリングエコノミー分野で急成長を遂げています。現在では、スタートアップ支援や新規事業創出にも力を入れ、多くの起業家を輩出する存在となっています。学生時代の早期行動と構想力が、後の大規模な事業展開の土台となった好例といえるでしょう。
起業家2.株式会社Tokyo Otaku Mode 小高奈皇光
小高氏は学生時代、「日本のオタク文化を世界へ届けたい」という強い想いから、SNSでの情報発信をスタートしました。最初は趣味に近い活動でしたが、Facebookページを中心に海外ファンの支持を集め、フォロワー数が急速に拡大していきます。
その反響をきっかけにTokyo Otaku Modeを事業化し、日本のアニメ・漫画・カルチャーを世界へ発信するグローバルメディア・EC事業へと成長させました。学生時代に培った「好きなことを継続的に発信する力」が、結果として世界規模のビジネスへと発展したのです。
趣味 × 情熱 × SNSという学生ならではの挑戦が、そのまま事業になった代表的な成功例といえます。
起業家3株式会社Photosynth（フォトシンス） 河瀬航大
河瀬氏は東京大学在学中、大学の研究室で培った技術をもとに、スマートロック「Akerun」の開発に着手しました。
日常の「鍵管理」という身近な課題に、最先端の技術を掛け合わせた点が大きな特徴です。
学生起業ながら、その技術力と事業性が高く評価され、異例のスピードで事業が成長。現在では、法人向けのセキュリティ・入退室管理領域で広く導入されるプロダクトへと進化しています。
大学の研究環境や専門性を最大限に活かした、技術系スタートアップの代表例といえるでしょう。
学生時代から起業家として成功するための5ステップ
学生が起業家として頭角を現すために踏むべき具体的なステップを紹介します。
ステップ1.市場ニーズに基づく起業アイデアの発見
学生起業の第一歩は、社会や市場が求めている解決策を見つけることです。革新的なアイデアをいきなり作るのは難しいため、まずは以下を観察しましょう。
- 大学生活で感じる不便
- アルバイト先での課題
- 友人との会話から出てくる悩み
- 世の中の「もっとこうなればいいのに」という違和感
こうした日常の違和感こそ、優れたビジネスアイデアの源になります。
ステップ2.実現可能な事業計画書の作成する
アイデアが固まったら、次は事業計画書に落とし込みます。事業計画書には以下を記載します。
- 事業の目的
- ターゲット顧客
- 提供する商品・サービス
- 競合分析
- マーケティング戦略
- 初期費用・収支予測
学生は経験が少ないため、客観的なデータと根拠をもとに“実現可能な計画”を作ることが特に重要です。
ステップ3.学生でも可能な資金調達の方法を考える
学生起業では資金調達が壁になりがちですが、実は多くの選択肢があります。
- 自己資金（アルバイト・貯蓄）
- クラウドファンディング
- 日本政策金融公庫の創業融資
- 助成金・補助金
- 出資（エンジェル投資家など）
学生起業の多くは「70〜100万円ほどのスモールスタート」から始まるため、自己資金でも実現可能です。
ステップ4.個人事業主と法人設立のどちらかを選ぶ
起業形態の選択は、今後の事業展開に大きく影響します。
個人事業主のメリット
- 開業届を出すだけで始められる
- 設立費用がかからない
- 税務処理が簡単
法人化（合同会社・株式会社）のメリット
- 信用がつく
- 取引先が広がる
- 節税メリットが得られる場合も
学生の場合、まずは個人事業主で始め、売上が増えてきたら法人化するケースが多いです。
ステップ5.スモールスタートから成長へのロードマップを引く
学生起業で最も重要な考え方は「小さく始めて大きく伸ばす」こと。
最初から完璧な商品や大規模投資をするのではなく、以下のような段階的な成長が理想です。
- 最小限のプロダクト（MVP）で市場に出す
- 顧客の反応をヒアリング
- 改善を重ねて価値を高める
このアプローチにより、失敗リスクを最小化しつつ確実に成長できます。
起業家になるために学生時代のNG行動3選
起業家を志す学生が陥りがちなNG行動を紹介します。
NG行動1.過度な借入による資金調達
学生時代から大きな借金を背負うことは、事業の失敗がそのまま個人の生活リスクに直結してしまう点で非常に危険です。
特に学生起業では、事業モデルや市場理解が未成熟な段階であることが多く、収益が安定しないまま返済義務だけが残るケースも少なくありません。また、借入金があることで意思決定が「挑戦」ではなく「返済優先」になり、本来取るべき改善や撤退の判断が遅れるリスクも生まれます。
そのため、学生のうちはまず小さく始め、検証を重ねて事業が軌道に乗ってから融資を検討する方が、長期的に見て成功確率は高くなります。
NG行動2.学業を疎かにして事業にのめり込む
学業を極端に軽視して事業にのめり込むと、将来の選択肢を自ら狭めてしまうリスクがあります。
学生という立場は、基礎知識を体系的に学べるだけでなく、同世代や教員、卒業生との人脈、社会的な信用を築ける貴重な期間でもあります。
学歴がすべてではありませんが、学業を通じて得られる土台があることで、事業がうまくいかなかった場合のリカバリーや次の挑戦がしやすくなるのも事実です。だからこそ、学業とビジネスを対立させるのではなく、両立させながら進めることが、学生起業を長期的な成功につなげる重要なポイントとなります。
NG行動3.1人で全てを抱え込む
起業において相談できる相手がいない状態は、判断ミスを修正できないまま突き進んでしまうという大きなリスクを抱えます。特に学生起業家は経験が少ないため、自分では正しいと思っている判断が、実は大きな遠回りや失敗につながっていることも珍しくありません。
また、1人で全てを抱え込むことで精神的な負担が増え、モチベーションの低下や途中での挫折につながるケースも多く見られます。壁打ちやメンタリング、仲間づくりを通じて外部の視点を取り入れることで、判断の精度が上がり、結果的に事業の成功確率も高まります。
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