植松快 
「学生でもクラウドファンディングで資金を集められるの？」「起業したいけど、お金がなくて一歩踏み出せない…」
そんな悩みを抱える大学生が増えています。クラウドファンディングは、学生が“自己資金ゼロでも挑戦できる”最強の資金調達方法です。しかし、正しい方法を知らずに始めてしまうと、支援が集まらず失敗するリスクもあります。
本記事では、学生がクラファンで成功するための準備、戦略、リターン設計、プロジェクト作成の流れを、初心者でもわかるように徹底解説します。
学生起業家向けのクラウドファンディング3種類
学生がクラウドファンディングに挑戦する際、まず理解しておくべきなのが“3つの方式”です。方式の違いを理解していないと、目的に合わないクラファンを選んでしまい、失敗につながります。
種類1.投資型クラウドファンディング
投資型は、支援者が「出資者」としてプロジェクトに投資する仕組みです。資金調達額が大きい傾向にありますが、金融商品取引法の対象となるため、学生には難易度が高め。
- 投資家に対する説明責任が必要
- 手続きが複雑
- 一定の実績や信頼性が求められる
種類2.寄付型クラウドファンディング
支援者が“見返りを求めない寄付”としてお金を出す方式。社会貢献性の高いプロジェクト（教育・国際協力・福祉など）との相性が抜群です。
- 学生が取り組む社会課題プロジェクトとマッチしやすい
- リターン負担が少ない
- 共感を集めやすい
種類3.購入型クラウドファンディング
支援者がお金を出し、そのリターンとしてモノやサービスを受け取る方式。もっとも一般的で、学生が最も成功しやすいクラファン形式です。
- 自分たちのサービス・プロダクトを世に出せる
- 小さく検証ができる
- 支援者とファンがつきやすい
学生起業家がクラウドファンディングをする4ステップ
クラファンは「なんとなく始める」と失敗します。正しいステップを踏むことが成功の必須条件です。ここでは学生起業家がクラウドファンディングをする4ステップを紹介します。
ステップ1.プロジェクト内容・目標金額・リターンを決める
- どんな課題を解決するのか
- なぜ学生であるあなたがやるのか
- いくら必要なのか
- 支援者へ何を返すのか
ここで“世界観”が決まる最重要ステップです。
ステップ2.クラウドファンディングのページを作成する
成功するクラウドファンディングのページには、共通して「ストーリー」「画像」「実現可能性」の3つが明確に伝わる構成があります。
特に学生の場合は、なぜこの挑戦をするのか、どんな原体験があるのかといった“想いの強さ”が、共感を生む大きな武器になります。
ストーリーでは、
- どんな課題に違和感を持ったのか
- なぜ自分がその課題に向き合うのか
- このプロジェクトが実現すると何が変わるのか
を、等身大の言葉で伝えることが重要です。
画像については、完成度の高いデザインだけでなく、
- 試作品の写真
- 制作過程の様子
- 実際に使われるシーンのイメージ
など、「本当に動いているプロジェクトだ」と感じてもらえる視覚情報が効果的です。
また、実現可能性の面では、スケジュールや資金の使い道、協力者の存在を具体的に示すことで、支援者に安心感を与えられます。
「想い」だけでなく、「きちんと形になる計画」が見えるページ設計が、クラウドファンディング成功の鍵となります。
ステップ3.プロジェクトを広報する
クラウドファンディングにおいて、プロジェクトを公開しただけでは支援は集まりません。本当に重要なのは、公開後にどれだけ継続して広報できるかです。
クラウドファンディングは「公開して終わり」ではなく、「公開してからが本番」だと理解しておく必要があります。具体的には、SNSでの定期的な発信、友人や知人への個別連絡、大学内での共有、地域メディアや団体への情報提供など、あらゆる接点を活用してプロジェクトを伝え続けることが重要です。特に学生の場合、日常のつながりがそのまま支援につながるケースも多く、「なぜこの挑戦をしているのか」を自分の言葉で伝えることで共感が広がっていきます。
また、進捗状況や支援が集まった報告を発信することで、プロジェクトが動いている実感を支援者や見込み支援者に伝えることができます。沈黙してしまうと関心が薄れてしまうため、こまめな発信が成功の鍵となります。
ステップ4.プロジェクト実行＆リターンの提供
クラウドファンディングは、目標金額を達成した時点で終わりではありません。むしろ、そこからが支援者との本当の関係づくりの始まりです。
支援者は、単に商品やリターンが欲しいだけでなく、「この挑戦を応援したい」という気持ちでお金を出してくれています。その期待に応えるためにも、プロジェクトの進捗を定期的に報告し、現状や課題を正直に共有する姿勢が重要です。リターンの提供においては、納期や品質、連絡対応など、一つ一つを誠実に行うことが信頼につながります。小さなトラブルや遅れが生じた場合でも、早めに説明し対応することで、支援者の理解を得やすくなります。
この経験は、次のクラウドファンディングや新たな事業挑戦にも確実につながります。「支援してよかった」と思ってもらえる対応を積み重ねることが、学生起業家にとって何よりの財産になります。
学生起業家のクラウドファンディング成功事例5選
学生起業家にとって、成功事例は“最強の教科書”です。ここでは、実際に学生が主体となって成功したクラファンを紹介します。
事例1.町おこし × 地域課題を明確化した事例
【若者の夢を叶える！横須賀を発信するショートムービーを制作したい！】
「魅力的な場所や人がたくさんあるのに、横須賀の良さが十分に知られていない」という地域課題に着目し、学生が中心となってショートムービー制作に挑戦したプロジェクトです。単なる映像制作ではなく、「若者の視点で地域の魅力を再発見し、外に発信する」という目的を明確に打ち出した点が特徴でした。
クラウドファンディングでは、制作の背景や想い、完成後の活用イメージを丁寧に伝えたことで、地域住民だけでなく、横須賀に縁のある人々からも支援が集まりました。結果として、最大目標である150万円を超える160万円を達成し、大きな反響を呼びました。
ポイント： 学生ならではの「地域へのまっすぐな想い」と課題設定の明確さが、多くの共感を生んだ事例です。
事例2.国際協力 × 支援の使い道を可視化した事例
【ケニアの子どもたちに正しい性教育を届けたい！】
医学生が主体となり、ケニアの子どもたちに正しい性教育を届けることを目的とした国際協力プロジェクトです。 国際支援というと抽象的になりがちですが、本プロジェクトでは「誰に・何を・どのように届けるのか」を具体的に示しました。
現地への渡航費、教材作成費、活動費など、集まった資金の使い道を細かく可視化したことで、支援者が安心して応援できる設計となっていました。 また、医学生という立場から課題に向き合う姿勢が説得力を持ち、社会性の高さが際立ったプロジェクトでもあります。その結果、目標金額110万円を見事に達成しました。
ポイント： 社会的意義の高いテーマに加え、学生の行動力と透明性の高い設計が支援者の共感を呼んだ事例です。
事例3.イベント × ターゲットを絞った集客設計の事例
【長野県の学生が多様な生き方とつながるフェアを開催！】
長野県の学生が中心となり、「多様な生き方」をテーマにした地方活性イベントを企画した事例です。学生と社会人が混ざったチームで運営し、地域の人々と外部の参加者をつなぐ場を作ることを目的としていました。
クラウドファンディングでは、「誰に向けたイベントなのか」「参加することでどんな価値が得られるのか」を明確に打ち出し、ターゲットを絞った発信を行いました。その結果、約60万円を集め、目標金額を上回る成功を収めました。
ポイント：学生と地域をつなぐ「リアルな価値創造」が支援を呼んだ。
事例4.教育支援 × 成果が見える仕組みを作った事例
【高校生が挑戦！「社会に開かれた教育」を実現する校舎をつくる】
高校生自身が主体となり、「社会に開かれた教育」を実現するための校舎づくりに挑戦したクラウドファンディング事例です。年齢的に挑戦が難しいと思われがちな中で、自分たちの言葉で課題とビジョンを語り、多くの共感を集めました。
支援者に対して、「集まったお金で何が変わるのか」「どんな成果が生まれるのか」を具体的に示した点も成功要因の一つです。結果として、目標金額20万円の5倍以上を集める大成功となりました。
ポイント：学生の純粋な挑戦と教育改革という社会性の高さが魅力に。
事例5.福祉 × 支援対象を具体化した事例
【見えにくい」を体験できるロービジョンカフェを実現！】
5名の学生が中心となり、視覚に障がいのある方の世界を体験できる「ロービジョンカフェ」を実現するためのプロジェクトです。福祉分野の課題を、体験型のイベントとして分かりやすく伝えた点が特徴です。
クラウドファンディングでは、支援対象や目的を曖昧にせず、「キット制作費」という具体的なゴールを設定しました。
その結果、約75万円の資金調達に成功し、プロジェクトの実現につながりました。
ポイント：体験型の社会問題提起が支援者の心を動かした。
学生起業家がクラウドファンディングで成功する秘訣3選
クラファンの成功には“型”があります。学生が特に意識すべきポイントを厳選しました。
秘訣1.支援者が共感する「物語」をつくる
学生クラファンの最強の武器はストーリーです。
- なぜこの挑戦をするのか
- なぜ今なのか
- なぜあなたなのか
ここが刺されば、自然と支援が集まります。
秘訣2.初期支援者（友人・大学関係者）を集める
クラファンは序盤の勢いがすべてです。公開初日に支援が入ることで「信頼性」が生まれ、知らない支援者が増えます。
秘訣3.SNSを活用して継続的に発信する
リール・X（旧Twitter）・TikTokはクラファンと相性抜群です。プロセスの見える化が共感と拡散を生みます。
学生がクラウドファンディングで成功するための最短ルートユースキャリア環境
クラファンは「個人で挑戦すると失敗しやすい」仕組みです。企画設計・文章・画像・集客すべてに専門性が必要だからです。
ユースキャリア教育機構では、
- 学生起業に特化したクラウドファンディング支援
- プロジェクト文章・画像制作の添削
- SNSマーケティングのサポート
- 現役起業家からの伴走支援
- 仲間と一緒に挑戦できるコミュニティ
という環境が揃っており、「学生がクラウドファンディングで成功するための最短ルート」がここにあります。
まずは気軽に、ユースキャリア教育機構に相談してみてください