「学生のうちに会社を作ってみたい」「合同会社なら手軽に始められると聞いた」そう感じている大学生も多いのではないでしょうか。実際、近年は少ない資金で設立できる合同会社を選ぶ学生起業家が増えています。しかし、メリットが多い一方で、信用面や運営面でのリスクも存在します。この記事では、学生が合同会社を立ち上げる際のメリット・デメリット・設立手順・成功事例を分かりやすく解説し、リスクを抑えて安全に起業を始める方法を紹介します。

そもそも合同会社とは?
学生が起業を考えるときに、まず知っておきたいのが「合同会社」という会社の形です。
合同会社(LLC:エルエルシー)は、2006年にできた比較的新しい制度で、メンバー全員が経営に参加できる自由度の高い会社の形です。株式会社よりも作るときの費用が安く、手続きもかんたんなため、学生や少人数のチームで始めるビジネスにぴったりです。
株式会社との一番の違いは、「誰が決めるか」と「どう利益を分けるか」という部分です。
株式会社では、出資した人(株主)と経営する人(取締役)が別になっていて、出資額が多い人ほど発言力や取り分が大きくなります。
一方、合同会社では全員が出資者であり経営者でもあるため、出資額に関係なく、みんなで話し合って決めることができます。
たとえば3人で始めた場合、1人が多めにお金を出していても、全員で平等に意見を出して方針を決めることができる、そんな仕組みです。
また、合同会社は設立にかかるお金が少ないのも大きな魅力です。
株式会社では20〜25万円ほどかかるのに対し、合同会社は6〜10万円ほどで設立できます。
手続きもシンプルで、書類をまとめて法務局に提出するだけでOK。学生でも数週間で会社を作れるほど手軽です。
学生起業家が合同会社を立てるメリット5選
学生が会社を立ち上げる際、株式会社よりも合同会社を選ぶケースが増えています。初期費用が安く、運営がシンプルで柔軟性が高いため、「小さく始めたい学生」にぴったりの形態です。
ここでは、学生起業家が合同会社を選ぶ主なメリットを5つ紹介します。
メリット1.設立コストが安い
株式会社と比べて、設立にかかる費用が圧倒的に安いのが最大の特徴です。株式会社が約20万円前後かかるのに対し、合同会社は約6万円で設立可能。
学生にとって負担の少ないコストで、法人として事業を始めることができます。
メリット2.決算・運営がシンプル
合同会社は、取締役会や株主総会などの煩雑な手続きが不要。代表社員1人でもスムーズに運営でき、会計処理や税務申告もシンプルです。
学生でも無理なく経営を継続できる環境を整えられます。
メリット3.意思決定のスピードが速い
合同会社は全員が「社員(出資者)」として意思決定に関わるため、合議制でスピーディに動けます。学生同士のチーム起業でも、フラットな関係性でアイデアを実行に移しやすいのが魅力です。
メリット4.利益配分を自由に決められる
出資額に応じず、貢献度や役割に応じて報酬を分けることができます。たとえば「アイデア提供者」「デザイナー」「エンジニア」など、貢献の形が異なる学生同士の共同起業にも向いています。
メリット5.株式発行の制約がなく柔軟
合同会社では株式がないため、外部からの圧力や支配を受けにくいのが特徴。自分たちのペースで事業を成長させたい学生にとって、自由度の高い経営スタイルが実現できます。

学生起業家が合同会社を立てるデメリット4選
一方で、合同会社には注意すべきポイントもあります。「設立が簡単だから」と勢いで作ると、信用や資金調達で壁にぶつかる可能性も。
ここでは、学生が理解しておくべきデメリットを4つ紹介します。
デメリット1.社会的信用が低く見られやすい
取引先や金融機関からは、合同会社よりも株式会社の方が信頼度が高い傾向があります。特にBtoBビジネスや融資を受ける際には、「合同会社だと不安」という印象を持たれるケースもあります。
デメリット2.出資者間のトラブルが起きやすい
合同会社は意思決定の自由度が高い反面、明確な役割や取り決めがないと揉めやすい形態です。学生同士で始める場合は、契約書や議事録をきちんと残すことが重要です。
デメリット3.上場(IPO)ができない
合同会社は株式を発行できないため、将来的に上場を目指す場合は株式会社への変更が必要です。初期段階で合同会社を選んでも、成長段階で法人形態を変更する計画を立てておく必要があります。
デメリット4.信用・資金調達の面で不利になる
銀行や投資家からの融資・出資を受ける際、株式会社の方が審査が通りやすい傾向にあります。そのため、融資を視野に入れる場合は、合同会社でもしっかりとした事業計画書の提出が求められます。
学生起業家が合同会社を立てるまでの5つのステップ
実際に合同会社を設立する手続きは、思っているよりシンプルです。
ただし、書類の不備や手続きの遅れがあると開業が遅れるため、流れを理解しておきましょう。
ステップ1.事業内容と社名を決める
まずは自分の事業の方向性を明確にし、会社名(商号)を決めます。この段階で「何を」「誰に」「どう届けるか」を整理しておくことが重要です。
ステップ2.定款を作成する
合同会社の場合、紙ではなく電子定款にすることで印紙代(4万円)を節約できます。行政書士に依頼する場合は、3〜5万円程度で代行してもらうことも可能です。
ステップ3.資本金を用意し、出資者を決定する
学生起業の場合、1円からでも設立可能です。ただし、信用性を考えると10〜30万円程度を入金しておくと良いでしょう。
また、複数人で設立する場合は、出資割合と役割を明確にしておきます。
ステップ4.法務局に登記申請を行う
定款・出資証明書・印鑑届出書などの書類を準備し、法務局に登記します。登記が完了すると正式に「合同会社」として認められ、事業を開始できます。
ステップ5.税務署・銀行など各種手続きを行う
設立後は、税務署や市区町村への届出、銀行口座の開設などを行います。学生でもクラウド会計ソフトを活用すれば、会計処理を効率的に行うことができます。
学生起業家が合同会社を立てて成功した事例3選
起業において「どこで、誰と学ぶか」は成功確率を左右します。孤独に行動するより、支援・刺激・成長を得られる環境に身を置くことが何よりのリスク回避策です。
事例1.藤澤 暉さん(合同会社Biryoku代表)
立命館大学在学中に、アート・デザインをテーマにした制作事業「Biryoku」を立ち上げ。「学生でも自分の感性を形にできる会社を作りたい」という想いから、低コストで設立できる合同会社を選択。
SNSでの情報発信を軸に、企業やブランドからのデザイン依頼が増加し、在学中に黒字化を達成しました。
事例2.佐藤 颯さん(合同会社Eats Lab代表)
大学の購買で廃棄される食品をオンライン販売につなげるフードロス事業を展開「社会課題を学生の視点で解決する」という理念のもと、初期投資を抑えながら実践的な経営を経験。
学生発の社会起業モデルとして、学内外のメディアにも注目されました。
事例3.田中 陸さん(合同会社Lumos代表)
プログラミング教育事業を学生主導で展開。小中学生向けオンライン講座を提供し、学業と経営を両立させながら地域のICT教育にも貢献。
「学生が作る教育の形」として京都市の地域連携プログラムにも採択されました。
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