高校生あつまれ!全日本未来の科学アワード2024 受賞者発表

当機構が主催する探究学習コンテスト「高校生あつまれ!全日本未来の科学アワード2024」の受賞者が決定しました!

高校あつまれ!全日本未来の科学アワード2024とは?

全国の中高生を対象に、自由で独創的な探究活動を競い合うコンテストです。奇抜な発想やユニークな視点から問いを深め、成果を発信していただきます。書類審査や録画審査を経て、未来探究パートナーズ(協賛企業)による最終審査で受賞者を決定します。

受賞者発表

厳正な審査の結果、総応募者数739人の中から各賞の受賞者に選出された方を発表します。(敬称略)

テクノロジー部門

・ベストテック賞

名前/チーム名佐藤丞
学校東京都立千早高等学校
学年2年生
テーマ情報リテラシーに関する動画制作
概要「情報リテラシー」を身につけるための安全で正しくSNSを使えるよう、動画を通した教育動画の制作。自動音声やテキストアニメーション、実際のアンケート結果や数値をもとにした現代社会の問題や、SNSに潜む危険性とリスクを解説。
株式会社セールスフォース・ジャパン様より

ベストテック賞として推薦させていただきます。評価ポイントは3つあります。まず、高校生というターゲットを明確に設定し、動画を活用して具体的な問題解決策を示した点が高く評価できます。次に、問題解決における動画という手法を効果的に活用し、視覚的にもインパクトのあるプレゼンテーションを実現されました。さらに、情報発信においてAI、動画作成ソフトウェア、動画プラットフォームなど複数の技術を活用し、高校生の視点で実践的なアウトプットを生み出した点を評価します。

フューチャーデザイン部門

・未来ラボ賞

名前/チーム名唯是真央、金娜延、松井杏奈
学校東京都立両国高等学校
学年1年生
テーマ廃棄ユニフォームを活用した防犯ブザーカバー制作
概要廃棄ユニフォームのアップサイクルと多くの人に防犯ブザーを持ってもらうことを目的に、現在廃棄されているユニフォームを無償または安価でいただき、それを用いて防犯ブザーカバーを制作。
株式会社日本総合研究所 未来デザイン・ラボ様より

「リサイクル率の低さ」と「性犯罪の多さ」の2つの社会問題を関連付けた、新規性と社会的影響力の高いアイデアとして受賞者に選出しました。性犯罪防止への影響力を高めるため、防犯ブザー普及+αの検討の余地があります。また、廃棄ユニフォームならではの防犯性/持ちやすさにつながる要素を検討すると、より魅力的なアイデアになりそうです。アイデアのさらなる発展に期待しています。

ソーシャル部門

・地元ヒーロー賞

名前/チーム名斉藤静佳
学校鹿児島純心女子高等学校
学年2年生
テーマ鹿児島の魅力発信
概要自分が今まで取り組んだことや経験に加え、鹿児島県の代表として岐阜県に行った際の経験と鹿児島との結びつきを紹介する授業実践を行う。
北海道森町様より

今回の「地元ヒーロー賞」受賞、本当におめでとうございます!

斉藤さんの取り組みが評価された最大の理由は、「地元と地域をつなぎ、その魅力を発信していきたい」という強い想いと、その未来への可能性を感じさせる活動にあります。

「生まれ育った地域の魅力が、当たり前になってしまい気づかれにくい」という課題は、まさに森町でも共通しています。そのため、地域おこし協力隊制度を活用し、移住者の視点から新たな魅力を発見し、発信していく取り組みを行っています。斉藤さんが他の地域と比較することで鹿児島県の良さを再確認し、それを発信している姿勢は、森町の取り組みとも高い親和性を感じました。

また、鹿児島県の魅力を県外へ伝えることで、地元を離れた若者たちが新たな土地で鹿児島の価値を発信し続ける。この流れは単なる情報発信にとどまらず、「関係人口」の創出につながり、中長期的な移住・定住の促進という大きな可能性を秘めた活動です。さらに、今回の活動で25名ほどの中高生に鹿児島県の魅力を伝えたことは、とても意義深いものです。今後、彼ら自身が県外の人々に鹿児島の魅力を伝える役割を担うことで、さらに大きな広がりを生み、持続的な地域活性化へとつながっていくでしょう。

斉藤さんの挑戦と情熱が、地元と地域の未来をつくる大きな一歩となることを確信しています。今後のさらなる活躍を、心から楽しみにしています!

・つながりプロデューサー賞

名前/チーム名大塚朝貴
学校東京都立千早高等学校
学年2年生
テーマアートで人と人をつなぐ展示会を主催
概要アートで人と人を繋ぐため、“BORDERLESS”をテーマにひとりで展示会を主催し、多くの人にアートを楽しんでもらう場を創った。この展示会ではアーティストのメッセージや多様な価値観を芸術という観点で純粋に楽しんでいただくために、参加条件や境界を設けずアーティストを集めた。SNSを通じることで地域内外の人と繋がり、自信や癒しを届け、素晴らしいアーティストの方々を多くの人に広めた。
一般社団法人いとのこ様より

アート、芸術、私も好きです。芸術がもっと多くの人に開かれたらいいなと思っています。そんな中大塚さんが一人で展示会を行った、しかも多様なアーティストを募集することができたことは本当に素晴らしいことだと思います。自信を持ってこれからも生きていってほしいですし、もっと多くの展示会を開いていただきたいと応援しています。あと協賛も出します。

また、アーティストを募集し、展示会を行った大塚さんはプロデューサーとして、「BORDERLESS」というコンセプトをしっかり伝えられていたことが何よりも本物の展示だなと思いました。

展示会のレイアウトや、並べ方に対しても美しく、クオリティの高い展示だったのではないかと妄想しました。大塚さんにしかできない場づくり、展示会場づくりをもっと極めていってください。「BORDERLESS」だからこそ、大塚らしさを存分に出していってください。そしてこれからも、つながるはずのなかったところに、大塚さんがいたからこそ「つながれた」人たちや場をつくり続けてください。

・かだいリデザイン賞

名前/チーム名福田悠刀
学校東京都立千早高等学校
学年2年生
テーマ学習用オリジナルカードゲーム考案
概要勉強をモチーフとした1対1の対戦型カードゲーム「Bewise」を作成しました。「勉強せずに勉強を。」をキャッチコピーとし、プレイヤーは、人物や方程式といった国語、数学、理科、社会、英語の5教科を各属性とした各教科に関連するカードを使いこなして、相手を打ち負かすことを目指します。ゲームを通じて、プレイヤーは楽しみながら知識を深めることができ、勉強に対しての意識改革や教育的効果を期待できます。
株式会社Heywalk様より

子供の勉強への苦手意識の改善に対してカードゲームというエンターテインメント要素を取り入れるアイデアが、まさしく課題を「リデザイン」する着眼点であったことから受賞者に選出しました。ご自身の体験やこれまでの知見に基づいたゲームの設計は、1つの遊びとして申し分ないレベルの楽しさを想像させるものでした。まだ商品化には至っていないとのことでしたが、さらに改良を重ねて小中学生の学習をサポートする有効なソリューションとして世に提供してくださることを期待しています。

・エコユーモア・ビジネス賞

名前/チーム名常木心暖
学校東京都立千早高等学校
学年2年生
テーママイクロプラスチックを用いたアート制作
概要小学生に海洋問題をアートを通じて伝え、現状への理解を深めてもらうことを目的としたプロジェクト。アートを活用することで、子どもたちは海の環境や問題について楽しく学び、身近に感じることができる。また、子どもたちの学びをきっかけに、保護者や地域の大人たちにも問題意識を広め、次世代へと繋げることを目指している。
一般社団法人セヤミツラボ様より

自ら海で多くのゴミを見たことから、マイクロプラスチックの問題に視点を当てて行動しているのが素晴らしいと思いました。ワークショップも実践したことで、子どもが海に行ったときにゴミを見た際の意識は確実に変化させられたのではないかと思います。マイクロプラスチック作品をどう売れるような商品にできるのか楽しみです。

アントレプレナーシップ部門

・ユニークなターゲット市場賞

名前/チーム名☆Sustaina Frontier☆
学校広尾学園高等学校
学年1年生
テーマ“サステナブル”を学べる新規ボードゲームの開発・販売
概要このビジネスは次世代の環境資源保護における教育と意識を向上させることを目的としたボードゲーム開発事業です。ゲームの対象人数は2人〜4人でプレイヤーは全員で協力し、待ち構える様々な課題を解決しながら資源を守り切ります。また、小・中学生とその親が主なターゲットです。難しく感じるような社会課題を若いうちからボードゲームを通じて子供達にわかりやすく、そして楽しく知ってもらえるように設計にしました。
株式会社Armory様より

「ユニークなターゲット市場賞」の受賞おめでとうございます。決め手は当事者意識を持って行動しているチームだと感じたためです。世の中には課題がたくさんあり、こうやったら解決できるというアイデアは思いつくと思います。ただ、それを本当に実行し行動する人は圧倒的に少ないです。小さく早く前に進んでいることがこの市場に良い影響を与えてくれると感じました。

・最年少起業チャレンジ賞

名前/チーム名太田嶋亮成・久祖神王条・姫田 泰之介
学校ドルトン東京学園中等部
学年3年生
テーマ知的障がい ✕ アート・雇用
概要知的障がいのある方々の賃金格差を解消するために、彼らが得意とするアートやハンドメイド作品などの創作活動に焦点を当て、それを収入につなげるサイトを提供する。多くの知的障がいのある方は、創作活動に対して強い関心や才能を持っており、その個性や特技を活かすことで、働きがいのある環境を整えながら、経済的な自立を支援することができる。このサイトでは、彼らが自分の作品を気軽に出品・販売できるようにし、より多くの人に知ってもらい、購入してもらうことで、公正な収入を得られる場を提供することを目的としている。
株式会社Specialist Entertainment様より

自分たちの事業に対する熱意、実際に残してきた実績、事業の成功可能性の予測、どれをとっても目を見張るものがあったことから受賞者に選出しました。障がいを持つ方の雇用は大きな社会課題の一つであり、公共施策だけではなくビジネスのもつ力で動かしていくべき意義のある課題でもあります。すでにアート展の開催や物品の販売を行い売上が立っているというたくましい実績を残されていることをふまえ、「障がいを持つ方の賃金格差」がない未来を実現してくださることを期待したいと思います。

スポーツ部門

・未来スポーツ産業デザイン賞

名前/チーム名伊豆謙伸、松川楓駕
学校東京都立日野台高等学校
学年1年生
テーマ東京ヴェルディとのコラボ開催
概要高校生が東京ヴェルディ・ホームタウン部と連携し、SDGsに関連した活動を推進した。リユースや地域貢献をテーマに、サッカーチームと地域住民を結びつける新たな取り組みを模索し、持続可能な活動を目指します。
株式会社準弥(横浜FC 鈴木準弥)様より

Jリーグクラブを巻き込んだプロジェクトである点から、スポーツ産業全体に大きなインパクトを与える可能性を感じられたため受賞者に選出しました。企業担当者と臆せず丁寧なコミュニケーションをとられていた点も素晴らしかったです。ぜひ継続的な関係性を構築し、協業することのメリットを最大限活かしてより大きな価値を創出していただくことを期待しています。