【プロジェクト紹介】クリエイティブから価値を共創するプロジェクト「Co-Creation Community」

ユースキャリア教育機構には、国際協力や地方創生・クリエイターや教育など、様々な活動分野ごとのプロジェクトがあります。

今回は、プログラミングやデザイン・イラストなどのクリエイティブと、それを使って仕事を獲得する経営力・ビジネス力を学べるプロジェクト「Co-Creation Community(コークリエイション・コミュニティ、以下コクリ)」の活動を、インタビュー形式で紹介していきます!

フリーランスのウェブデザイナーやUI/UXデザイナー、WEBクリエイターやWEBエンジニア・ゲームプログラマーなどに興味がある、なりたい!という高校生・大学生の方は、ぜひ読んでみてください。

Co-Creation Community(コクリ)とは?

下谷

今回は、コクリ運営の胡本さんと千田さんに、コクリの活動についてお話を伺います。よろしくお願い致します。

胡本

よろしくお願いします!

千田

よろしくお願いしますー!

プロフィール

胡本 圭祐(えべすもと けいすけ)
26歳
明治大学理工学部 ⇒ 明治大学大学院 理工学研究科 ⇒ 現在は富士通株式会社にてプロジェクトマネジメントやハードウェア・ソフトウェア両方のソリューション開発を行っている

コクリの運営
コクリでは、持ち前の技術力を活かしてメンバーにエンジニアリングやプログラミングを教えている。また、企業協賛案件の営業や要件定義なども行い、コクリに仕事を引っ張ってくる役割も果たしている。

胡本さんは広島出身。「えべすもと」という苗字は、日本に100人もいない珍しい苗字だそう。

プロフィール

千田 加奈子(ちだ かなこ)
22歳
東京家政大学造形表現学科 ⇒ 現在は社会人で仕事をしながら、フリーランスのイラストレーターとして活動している

コクリの運営
コクリでは、フリーランスのイラストレーターとして活動をしている知見を活かして、イラストやデザインのスキルについて教えている。その傍ら、企業と案件をこなす際の契約書の巻き方や、個人で仕事を受託する営業方法も教えている。

千田さんは漫画・アニメなどのサブカルが大好き。
下谷

では、早速お話をお伺いしたいのですが、コクリとはどんなプロジェクトですか?

千田

まず、特に大事にしているのが「繋がり」という所ですね。仲間との繋がりで和気あいあいとしつつ、社会との繋がりも作り、自分たちの活動を外に発信していこうということを大切にしています。

胡本

繋がりと近い意味合いとして、コクリでは「共創」を掲げています。共に価値を作り上げるためのチームワーク、という意味ですね。

コクリでは、仕事上の繋がりというだけではなく、普段の生活もちゃんと繋がっているという状態を大切にしていて、例えば一緒にイベントごとをやったり、ファミチキ何個食べれるかチャレンジをやったりとか(笑)

ファミチキチャレンジの様子。近所のファミリーマートに協力してもらって開催した。
下谷

ファミチキチャレンジはなかなか面白いですね(笑)

では、コクリでは具体的にどのような活動をしているんですか?

千田

コクリは「クリエイティブ×経営」を活動のコンセプトにしています。そのため、「技術についての学び・実践」と「ビジネスについての学び・実践」の両方が得られるような活動を行っています。

まずは、WEBサイトの制作、アプリサービス開発。ここはエンジニアチームのメンバーが行っています。実際に企業から案件を受託していて、仕事としてのプログラミング経験を積むことができます。

次に、デザイン系。私やももちゃん(コクリのメンバー)は、フリーランスのイラストレーター・デザイナーとして、WEBデザインの案件やロゴデザインの仕事などを行っています。

また、クリエイティブ系以外だと、アニメのプロデューサーとのタイアップイベントを行った事もありますね。

「今はまだスキルや技術力がない」という人でも、コクリでそれらの知識を学びながら、コクリのメンバーと一緒に仕事をこなす経験を得られます。

普段のコンテンツ活動の様子。各チームに分かれて活動を行っている。

コクリで「クリエイティブ」と「ビジネス・経営」の両方を学ぶ理由

下谷

コクリでは、プログラミングやデザインなどのスキルを学ぶだけでなく、実際にスキルを活かして仕事にする事を学べるんですね。

胡本

コクリは、学生団体と企業のインターンシップの良い所を取りたいと思っています。

大学生の学生団体の場合、好きなことを仲間たちとできるけど、そのスキルを使って仕事をする力は身に着けられない。また、各自が求めているレベル感に温度差がある場合もありますよね。

企業のインターンシップの場合、社内でスキルは学べるけど、言われた業務をやる事が多い。自分がインターンしていた時は、上流工程や戦略策定にはなかなか携わらせてもらえませんでした。そのため、自分に必要な能力を得られない場合もあります。

コクリでは、自分がしたいものや身につけたいスキルを学べつつ、コクリの運営陣から経営方面のアドバイスや専門技術のフィードバックをもらう事ができます。ここがすごくコクリの特徴かなーと思っています。

千田

そうですね!この技術とビジネスの両方の力を持つことって、すごく大切だと私は思っていて。

未経験のクリエイターは特に、仕事をどう取ってくればいいか、進めればいいかが分からないという場合が多いと思います。そのため、スキルはあってもそれを活かせない人をたくさん見てきました。

なのでコクリでは、専門的なクリエイティブの知識と、経営的なビジネスの知識の両方を学べる環境であることを大切にしています。

フリーランスのイラストレーターとして案件を獲得するためには、マーケティングの視点や交渉力などが必ず必要になるとのこと
下谷

なるほど。コクリでは、案件や仕事などは自分で取ってくるんですか?それとも、コクリ内で用意されているのでしょうか?

胡本

基本は各自が自分でそれぞれ、案件を取ってくる形ですね。

エルサ(千田さんのあだ名)やももちゃんは、SNSを使って営業活動をしたり、ユースキャリアの知り合いから案件紹介をしてもらったりして、イラスト・デザインの仕事を取ってきていますね。

また、コクリ内で用意している仕事もあります。

代表的なものだと、上場企業が作っているアプリサービス開発の案件を、コクリで業務委託をして、エンジニアチームで開発を行っています。ここでの開発では、各自がやりたい事を裁量高く任せているので、身に着けたいスキルを磨きつつ、クライアントとの仕事の進め方を勉強できます。

千田

昔、ゴルフのECサイトのWEB制作案件を、エンジニアのえべさん(胡本さんのあだ名)と、WEBデザイナーの自分の2人でやったこともありましたよね!

胡本

あー、あったね!あれは色々大変だったね(笑)

それ以外だと、農業×IoTをやろうとしている早稲田大学の3年生の子がいて、その子は自分で色んな農家さんに商談を持ちかけていたりしますね。

今は農業×IoTで活動しているが、将来は組織の経営層になることが目標だそう
下谷

自分から商談を持ちかけに行くのは、すごい意欲が高いですね!

コクリに入ってくる人は、元からクリエイティブの知識・経験がある人が多いのでしょうか?

千田

それで言うと、元々すごくクリエイティブの実力があるという人は、そこまで多くなくて。むしろ、未経験の高校生や大学生の方が多いですね。

「これからプログラミングやデザインを学んで、何か社会に成果を出したい!」という人や、「チームで何かしたい!」という思いがあって来る人も多いです。

なので、「今はまだスキルがない」「スキル不足だけど、これからしっかり準備して学んで、本業・副業・フリーランスとして活躍したい!」という方も大歓迎です!

胡本さんは、400人規模のクリエイターコミュニティの代表をしていたため、多様なクリエイターへのアドバイスが可能

長期インターンシップで気付いた、エンジニアが経営力を持つ大切さ

下谷

ここでちょっと気になったんですが、胡本さんがコクリでこうした活動をしている理由や原体験のようなものはあったのでしょうか?

胡本

自分は小学校の頃からモノ作りが好きだったので、大学は広島から上京し、明治大学の理工学部に進学しました。

そして、大学2年生の時に見た「アイアンマン」の映画。これにめっちゃ衝撃を受けて。こういうロボットを作りたい!アイアンマンを作るために、技術を磨くぞ!と一念発起し、ベンチャー企業のエンジニア職に申し込んで長期インターンシップを始めました。

胡本

そこで数か月、エンジニアとして働いているうちに

「あれ?全然うまくいかないぞ?」

と壁に当たりました。というのも、クライアントさんからオーダーを受けた際、「技術的にこうすればいい」という話はできたのですが、「クライアントが本当に求めているものが何か」「案件の適切な単価はいくらくらいか」などが全く分からなかったんです。

その時すごくハッとして。「自分にはビジネスの観点から技術を活かす力が抜けているんだ」と気づきました。

そこから、経営サイドの知識を学び始め、今は技術もビジネスも分かるエンジニア・CTOを目指して、コクリで活動をしています。

大学院修士の2年間では、技術力を伸ばしながら、要件定義や契約書の巻き方・プロジェクトマネジメントの方法などを学んでいった
胡本さんのことをもっと知りたい方は、こちらの記事をどうぞ

フリーランスのイラストレーターのなり方が分からず、低単価で案件を受け続けていた大学生時代

下谷

なるほど。千田さんも同じような経験があったのでしょうか?

千田

私は元々イラストが大好きで、ひたすら絵を描いてTwitterに上げる、みたいな生活をしていました。(大学3年生時)

将来的にはイラストレーターになれたらいいなぁと漠然と思ってはいたんですが、会社に入るのか個人事業主・フリーランスとしてやるのかも何も決まっていませんでした。

当時は何も分かっていなかったので、イラスト3枚1500円とかで案件を受けてましたね(笑)はじめての案件獲得だったので、お金もらえるだけ嬉しかったので。

大学生の時に、イラスト3枚1500円で仕事を行っていた時に描いたイラスト
千田

その頃はコロナ禍で、全然主体的に動けてもいませんでした。そのため、「もっと自分から色々動いてみよう!」と思い、様々なイベントや交流会に行っていました。

そんな時、すでにフリーランスのイラストレーターとして活動している方とお話する機会があり、「今の自分には、適切な単価設定・単価交渉の考え方も分かっていないこと」「このまま就職しないでフリーランスになっても、稼げないどころか、自分自身の描きたい絵も描き続けられないこと」を痛感しました。

そこから、きちんとビジネスの知識を付けよう!と思い、イラストと経営の2軸で勉強をし始め、今に至るという感じですね。

現在は、企業ロゴの制作やパンフレットデザインなどの案件を受託して行っている

コクリの活動内容・特徴

下谷

胡本さんも千田さんも、似たような経験をされていたんですね。

こうした過去の経験から、今コクリではどんな活動をしているのでしょうか?

千田

コクリのコンテンツ活動は毎週土曜日に行っていて、そこでは各自の活動内容に合わせたアドバイスやワークを行っています。

コクリは、各自がしたいことや得たいスキルを学ぶことを重視しているので、フリーランススクールのような、全員に向けたワークセットがあるわけではなくて。それぞれの自己実現先に合わせて、オーダーメイドで課題や案件を供出していますね。

胡本

分かりやすい所だと、大川(コクリのメンバー、たびたびユースキャリアのインタビュワーとしても登場している)とかかな。

彼は最近「将来はフリーランスのWEBライターやWEBマーケターとして活動していきたい!」と考えています。そのため、彼には外部の企業のライティング案件を紹介してあげたり、Google Analyticsの使い方について教えてあげたりしています。

手前にいるのが、コクリで活躍中の大川君
エンジニアチームのMTGの様子
胡本

また、コクリでは「共創」や「繋がり」という事もとても大切にしているので、メンバー同士で一緒に案件をやったり、朝活会をしたり、定期で作業会をしたりもしています。

最近だとコクリ夏合宿とかもあったね!

コクリ合宿 バーベキューの様子
コクリ合宿 みんなで夕飯を囲む様子
コクリ合宿の様子は、こちらの記事をチェック!
千田

あれは楽しかったですね~!

あと、最近すごいな~と思ったのが、エンジニアチームとPRチームが一緒に仕事をしていた時ですね。

PRチームが「リターゲティング広告」や「セグメンテーション」などのビジネス側のワードを持ち出したんですが、エンジニアチームもしっかりと意味を理解していて。

逆にエンジニアチームがPHPの話やSQLの話を持ち出した時も、PRチームはある程度の概要をちゃんと把握できてました。これほんとすごいな~!と思いましたね!

スキルについても、ビジネスについても、お互いが専門性を持ちつつも基盤の前提知識を共有できているので、共創をしやすい環境だと思います。

下谷

クリエイティブサイドと経営サイドで、意思疎通を円滑にできるのは、本当にすごいですね。

コクリは今、何名で活動をしているんですか?

千田

14人ですね!真面目でサポート気質な人が多いです。

内訳はエンジニアが4人、ライター・広告PRが3人、エンタメ系が3人、デザイナー・イラストレーターが3人、経営戦略側が1人、といった感じです。年齢層は、社会人が5人、大学生・大学院生が9人です。

学生は東京大学・筑波大学・早稲田大学・一橋大学・明治大学など、理系・文系問わず様々な大学/学部のメンバーがいますね!住んでいる場所は、東京・千葉・埼玉・横浜など関東圏のメンバーが多いですね。

未経験の大学生が、フリーランスのクリエイターを目指す際の始め方

下谷

ここまで、胡本さんと千田さんには様々な話を聞いてきました。

最後に、「フリーランスエンジニアになりたい!」「個人事業主のイラストレーターとして活躍したい!」と考えている、未来のある高校生や大学生に向けたアドバイスをお願いできますか?

千田

フリーランスの「アーティスト」でなく「デザイナー・イラストレーター」を目指すなら、まずは「クライアントの意向を汲み取れるようになること」が大切だと思います。

自分の主観を押し付けたりはせず、クライアントが求めているモノ・真意を読み取れるようになることが、まず仕事を受ける際に大切にすべきことだと思います。

この考えを持った上で、まずは簡単な案件を受けてみることが大事だと思っています。やっぱりこの一歩を踏み出せるかどうかだと思っていて。

「案件の取り方が分からない!」という場合は、人に聞いてみたり、クラウドソーシングサイトを利用してみたり。案件を取る事自体は誰でもできることなので、まず自分で動いてみることをおすすめしますね。

胡本

エンジニアの場合も、基本は変わらないかな。エンジニアの場合もデザイナーの場合も、ツールとしての技術は絶対持っていなきゃいけないもの。これは大前提。

まだプロダクトを作った事がなかったり、ポートフォリオがない場合は、まずは何かしらのプロダクトを作る。資格を取るより先に、まず何かしらのサービスでもWEBアプリでも、プロダクトを作る事が最初にすべきこと。

その上で、エンジニアとして仕事をする時に一番大事だと考えているのが「人間性」だと思っています。クライアントと自分との関係性を担保した状態で、「この人なら任せられるよね」という関係性を作れるかどうかが大事だと思っていますね。

下谷

貴重なアドバイス、ありがとうございます!

ここまでインタビューを受けて頂き、ありがとうございました!

まとめ:コクリは、クリエイティブと経営による共創を目指す場所

コクリでは、プログラミングやデザイン、イラスト、WEBマーケティング、ライティングなど、様々な専門スキルを用いて、各自が案件を行っています。また、コクリはスクールではなく、スキルを価値を生み出すための『手段』として捉えています。そのため、技術だけを学ぶだけでなく、価値の作り方・生み出し方も学ぶことができます。

さらに、共創と繋がりをとても重視していて、メンバー同士での朝活や作業会・合宿など、みんなで一緒に成長をしていけるプロジェクトとなっています。

コクリの活動に興味を持った方は、ぜひお気軽にご連絡をして頂ければと思います。

プロジェクト名Co-Creation Community
活動ジャンルクリエイティブ×ビジネス
活動概要各自が学びたいことや身に着けたいスキルに合わせて、
オーダーメイドで課題や案件をこなしていく。
活動人数14人
活動頻度毎週土曜日 19:00 – 22:00
活動場所新宿